日本各地に、その土地を代表する郷土料理が存在します。
東京の郷土料理は何かという問いに対して上がるのが、もんじゃ焼き。
築地場外市場からもほど近い、東京都中央区の月島エリアには、大小さまざまな50店舗近いもんじゃ焼きの専門店が軒を連ねます。
そんな月島エリアで、長い歴史を持つもんじゃ焼き店の1つが、1954年創業の『好美家(よしみや)』です。
月島を代表するもんじゃ焼き店『好美家』

(手前)『特製もんじゃ』 1,400円(税込み)、(左奥)『特製塩ダレもんじゃ』 1,400円(税込み)、(右奥)『卵とチーズのカレーもんじゃ』 1,480円(税込み)
『好美家』の魅力は、創業以来変わらないもんじゃ焼きを味わえるところ。
もんじゃ焼き発祥の地ともいわれる月島で、長年営業を続けている『好美家』は、もんじゃ焼きを語る上で欠かせない名店です。

『好美家』外観
店を切り盛りするのは、『好美家』の三代目店主である村田孝夫さん。村田さんの祖母の代から続く『好美家』の味を、受け継いでいます。
初めてもんじゃ焼きを食べる人にこそ訪れてほしい『好美家』の魅力を、店主の村田さんの解説を交えて紹介します。
『好美家』でおすすめのもんじゃ焼き3選
もんじゃ焼きは、水で溶いた小麦粉に味を付け、野菜、海鮮、肉などの具材とともに鉄板の上で焼いて調理する料理。
『好美家』では、キャベツ、天かす、スルメイカを細く切って作る切りイカの3つを、店で提供するすべてのもんじゃ焼きに共通する、基本の具材として使っています。

特製もんじゃ
先に紹介した基本の具材に、豚肉、イカ、麺を加えて作るのが、店の一番人気メニューである『特製もんじゃ』。
だしと呼ばれるスープ状の生地の味付けはウスターソースで、注文を受けてから1杯ずつ用意しているのだといいます。

調味料にウスターソースを使うことで、塩気と酸味がきいた生地は、もんじゃ焼きの定番の味。フルーティーながら、後から濃厚な風味が口に広がります。
キャベツ、麺、イカの異なる食感の具材も、歯ごたえにアクセントを加えており組み合わせがベストバランス。
鉄板の上で、生地に焦げ目をつけてから食べると、香ばしさが増します。


味のバランスを考えると、これが一番定番のもんじゃ焼きかなと思います。オリジナリティを出したい人は、トッピングを追加で注文しても大丈夫です。
トッピングは全部で15種類。80円から用意があります。
食べごたえを求めるなら、1つ240円(税込み)の豚肉を追加でトッピングしたり、よりさっぱりと味わいたければ120円(税込み)の紅ショウガを注文したり、組み合わせ次第でアレンジの幅は無限大。
定番の味だからこそ、どんなトッピングを加えても、間違いないおいしさです!
特製塩だれもんじゃ

どこのもんじゃ焼き店も、味付けはウスターソースが基本だと思います。なので、『好美家』の塩味のもんじゃ焼きは珍しいんじゃないでしょうか。
村田さんがそう語るのが、『特製塩ダレもんじゃ』。

『特製塩ダレもんじゃ』
その名の通り、生地を塩ベースのタレで味付けしており、『特製もんじゃ』と比較してみるとご覧の通り。
『特製もんじゃ』よりもコクは控え目で、あっさりとした後味です。

(左)『特製もんじゃ』(右)『特製塩ダレもんじゃ』
生地の味付けがシンプルなぶん、食材の味が際立つのが『特製塩ダレもんじゃ』の特徴。
特筆すべきはキャベツで、鉄板で熱したことで引き出された甘みが口いっぱいに広がります。
桜エビの風味もプラスされると、珠玉の味わい。なかなかボリュームのある『好美家』のもんじゃ焼きですが、ペロリと平らげられてしまいます。

卵とチーズのカレーもんじゃ
『好美家』では、もんじゃ焼きの原点を堪能できるメニューが中心です。しかし、中には『卵とチーズのカレーもんじゃ』というオリジナリティあふれるものも。

『卵とチーズのカレーもんじゃ』
カレー味の生地は、辛さが控え目で大人から子供まで万人に受ける味わい。
キャベツ、切りイカ、天かす、さらに豚肉とともに鉄板で手早く焼いた後、溶き卵を加えることで、まろやかな甘みが加わります。

仕上げにチーズと、お好みで青のりを散らせば完成。
とろけるチーズと、半熟に固まった溶き卵、そしてカレー風味の生地のコンビネーションを、熱々の状態で味わってください!
ひと口頬張れば、見事な味の掛け合わせに、トリコになってしまうことでしょう。

もんじゃ焼きは、大勢で鉄板を囲み、1杯のもんじゃ焼きをシェアして食べるのが一般的。
1人1杯を食べ切る場合、人によってはボリューミーに感じられることもあるでしょう。
例えば4人で来店した場合は、2杯分のもんじゃ焼きと、サイドメニューを複数注文するのがおすすめです。

『好美家』では店員がもんじゃ焼きを調理をしてくれるが、希望すれば客自身で作ることも可能
また、一度に複数のもんじゃ焼きを注文するのではなく、まずは1杯食べ切ってから、次に注文するメニューを選ぶのがおすすめ。
2人でシェアする場合、焼き始めてから食べ切るまでにかかる時間は、20分程度です。

『好美家』内観
もちろん、1人で訪れても問題はありません。自分の好きなもんじゃ焼きを選び、じっくり味わうのも、通の楽しみ方。
月島エリアのもんじゃ焼きの元祖といわれる『好美家』で、東京の郷土料理を堪能してください。
店舗情報
店名 | 好美家 よしみや Yoshimiya |
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住所 | 東京都中央区月島3-15-10
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アクセス |
月島駅7番出口から徒歩6分
勝どき駅A1出口から徒歩6分
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電話番号 | 03-3531-7061 |
予約 | 可 ※電話から予約可能 |
支払い方法 |
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サービス料・席料 | なし |
営業時間 | 月・水~金曜日17:00~22:00(LO21:30) 土日・祝日16:00~22:00(LO21:30) |
定休日 | 火曜日 |
席数 | テーブル20席 |
喫煙・禁煙 | 全席禁煙 |
ウェブサイト | https://yoshimiya.tokyo/ |
その他 |
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※メニューの内容や料金、店舗情報などは2025年3月時点のものです。