観光地として人気が高い神奈川県の鎌倉エリアには、はるか昔に建てられた寺社が今も数多く残っています。
どの寺社も見どころにあふれており、中でも報国寺は美しい竹林が有名です。
四季折々の美しさを楽しむ報国寺の日本庭園
報国寺の入り口にあたる山門をくぐると、目に飛び込んでくるのは苔におおわれた美しい日本庭園。
雨上がりは特に苔の状態がよく、日差しを浴びて輝く庭園は、時を忘れて見入ってしまうほどです。
苔の名所としても知られる報国寺には、庭園の鑑賞を目的に訪れる人も多くいます。
報国寺には複数種類の苔が生息しており、近付いてしっかりと観察してみると、それぞれの形に違いが。
日本の『わびさび』に通じる魅力が苔にはあります。
海外でも魅力が広まりつつある苔を間近で観察するなら、報国寺ほどぴったりなスポットはないでしょう。
歴史ある報国寺の建築物
庭園を抜けると、報国寺の本堂が見えてきます。
報国寺での参拝の作法は、合掌一礼。仏様に向かって手のひらを合わせた後、深くお辞儀をします。
手を合わせる際は、拍手をして音を出す必要はありません。
報国寺の本堂
本堂を正面にして左側に建っているのは、茅葺き屋根の鐘楼(しょうろう)です。
鐘楼は、報国寺の中で最も古い建造物で、建てられたのは1757年。
もともと報国寺の建物は、鐘楼以外も茅葺き屋根だったそうで、当時の雰囲気を感じることができます。
報国寺の鐘楼
季節や時間によって表情を変える報国寺の竹の庭
本堂の先には、報国寺の代名詞ともいえる竹の庭が広がっています。
竹の庭を訪れるには受付で拝観料を支払う必要があり、高校生以上は1人400円。小学生、中学生は1人200円です。
報国寺の竹の庭は拝観料が必要
竹の葉が風に揺れる音、優しい木漏れ日、報国寺の竹の庭は静寂を楽しめます。
雨の日には、雨水が葉をしたたるなど、いつ訪れても異なる魅力にあふれているのが、報国寺の竹の庭の素晴らしさです。
また、庭園内の景観を守るため、設置されている柵の先には入れません。
一人ひとりの参拝者がルールを守ることで、報国寺の竹の庭の美しさが保たれています。
植木職人や報国寺の職員が手入れをした庭園
また、竹の庭のほか、枯山水の庭園も鑑賞できます。
枯山水の庭園は、山門のすぐそばにある緑豊かな日本庭園とは趣を変えた、石や砂、岩を中心に構成した石庭です。
枯山水を鑑賞できる報国寺の石庭
石庭の奥に見えるのは、鎌倉エリアに多く存在する横穴式の墓である、やぐら。
報国寺のやぐらは、鎌倉幕府で重要な地位を築いた足利家の1人である足利家時と、その子孫の義久の墓と伝えられており、研究が進められています。
報国寺のやぐら
竹の庭をながめながら味わう抹茶
竹の庭に併設されているお茶席の『休耕庵』では、9時~15時30分の間、乾燥させた和菓子の一種である干菓子(ひがし)と抹茶を味わえます。
『休耕庵』の内観は、竹林に沿うように建っており、どの席に座っても美しい景色を見ることができる設計です。
席のすぐそばには小さな人工の滝があり、水が岩に当たって流れていく優しい音が聞こえます。
『休耕庵』内観
竹の庭を眺めながら味わう抹茶と干菓子は、「贅沢」のひと言。
静かな空間で、優しい自然の音に耳を傾ければ、心身ともにリフレッシュできることでしょう。
干菓子は季節によってデザインが変わる
報国寺までのアクセスは鎌倉駅からバスがおすすめ
報国寺は、鎌倉駅から歩いて約30分の場所にあります。
鎌倉駅から報国寺の近くまで、京急バスが運営しているバスも出ており、その場合の所要時間は12分程度。
バスは1時間に3~4本、10~20分間隔で運行しており、バス停の『浄明寺』で下車します。
報国寺の山門は朝9時に開門する
古くから、著名な文筆家や芸術家に愛されてきたという報国寺。
現在では、報国寺の竹の庭や日本庭園を求めて、日本だけでなく海外からも参拝者が訪れています。
実際に訪れたら、現在に至るまで報国寺が人々を魅了する理由が分かります。
寺社情報
名前 | 報国寺 ほうこくじ Houkokuji temple |
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住所 | 神奈川県鎌倉市浄明寺2-7-4
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アクセス |
鎌倉駅東口から徒歩30分
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電話番号 | 0467-22-0762 |
参拝可能時間 | 9:00~16:00 |
授与品 | 取り扱いなし |
御朱印 | 9:00~16:00 |
おみくじ | 取り扱いなし |
拝観料 | 竹の庭の拝観料400円(高校生以上)/200円(小学生、中学生) |
ウェブサイト | https://houkokuji.or.jp/ https://www.instagram.com/houkokuji_official/ |
その他 |
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