築地市場と豊洲市場のどちらに行くべき? 目的別の訪問ガイド

海鮮丼 まるきた2号店

旅行中の食体験は、その土地の文化や人々を知る最良の手段です。

東京には数えきれないほどの飲食店がありますが、市場は日本の食文化のルーツともいえる場所。

特に築地市場と豊洲市場は、単なる観光スポットではない、それ以上の魅力があります。

※写真はイメージ

築地市場は長い歴史を持ち、今もなお新鮮な海産物や和食文化を体感できる場所。2018年に新設された豊洲市場は、最新設備と整備された見学環境で、卸売の現場を間近に見ることができます。

どちらも異なる魅力があり、旅行者にとってはどちらへ行くべきかを考えるのも楽しい選択肢です。

築地市場とは?:東京の有名な市場の歴史とその遺産

築地市場は1935年に開場し、長年にわたり日本最大規模の卸売市場として、『東京の台所』と呼ばれる存在でした。

日本各地から集まる新鮮な魚介類や青果が築地市場で取引され、プロの料理人や仲卸業者が集う活気ある場所だったのです。

築地市場は大きく分けて場内市場と場外市場の2つのエリアで構成されており、それぞれに異なる役割がありました。

場内市場は主に業者向けの卸売エリアで、プロの目利きが真剣勝負を繰り広げる、いわば商人の現場。

一方の場外市場は、一般客や観光客も気軽に立ち寄れる飲食店や物販店が集まる商店街のような役割です。寿司や海鮮丼、乾物などを求めて多くの人が訪れるスポットとして親しまれてきました。

※築地場外市場エリア

2018年になると、衛生環境の改善や施設の老朽化への対応を理由に、場内市場の機能は豊洲市場へ移転。

しかし、場外市場は現在も営業を続けており、そのにぎわいは今も健在です。

現在の築地場外市場には、国内外から多くの観光客が訪れ、築地ならではの新鮮な味覚や職人文化を体験できる場所として親しまれています。

築地市場から豊洲市場への移行:何が変わったのか

築地場内市場の機能が移された豊洲市場は、これまでの市場のイメージとは大きく異なります。

まず、豊洲市場は屋内型の施設となり、温度管理や動線設計が徹底された最新の設備が導入されました。

さらに、見学ルートが一般客と業者で分けられており、観光客も安心して市場の様子を見学できます。

※豊洲市場

また、築地市場ではオープンな雰囲気の中で取引が行われていましたが、豊洲市場では衛生管理や作業効率を重視した設計により、市場内部の業務エリアは立ち入り制限が設けられています。

豊洲市場ではガラス越しにマグロの競りなどを見学できるスペースが整備されていますが、臨場感はやや控えめです。

それに対して築地市場は、築地場外市場として現在も営業を続けており、街全体が市場のようなにぎやかさ。

観光客は食べ歩きや買い物を気軽に楽しむことができ、築地ならではの魅力が今も残っています。

築地市場 vs. 豊洲市場:どちらを訪れるべきか?

異なる魅力を持つ築地市場と豊洲市場の、どちらを訪れるべきでしょうか。その答えは、訪れる目的や好みによって変わります。

市場名 特徴・魅力 おすすめの人
築地場外市場 ・にぎやかでカジュアルな食の街
・多彩な飲食店や物販店が並ぶ
・伝統的な市場の雰囲気が楽しめる
・食べ歩きや買い物を楽しみたい観光客
・日本の伝統的な市場の雰囲気を味わいたい人
豊洲市場 ・現代的で衛生管理が徹底された施設
・プロの取引の様子を見学可能
・屋根がある室内で天候に左右されず食事ができる
・市場のプロの現場を見たい人
・ゆったりと高品質な海鮮を味わいたい人

築地市場(場外市場)がおすすめの人

食べ歩きや買い物を楽しみたいのであれば、築地場外市場へ。

築地場外市場は多彩な飲食店や食品店が並び、寿司や海鮮丼はもちろん、食べ歩きグルメやお土産も充実しています。

にぎやかな雰囲気も含めて満喫したい人や、初めての訪問者やカジュアルに市場を体験したい人にぴったりです。

日本の伝統的な市場の雰囲気を味わいたい人にとっても、築地場外市場はおすすめ。築地場外市場は昔ながらの商店街の風情を残し、活気ある地元の人々との交流も楽しめます。

豊洲市場がおすすめの人

※豊洲市場

最新の設備を備え、衛生管理が徹底された現代的な卸売市場の豊洲市場では、市場のプロの現場を見学できます。

ガラス越しにマグロの競りなど、普段は見られないプロの取引を見学できるスポットもあり、市場の裏側を体感したい人におすすめです。

築地場外市場のようなにぎやかな雰囲気とは異なり、落ち着いた環境で新鮮な海鮮を味わいたいのなら、豊洲市場はうってつけ。

豊洲市場内には高品質な寿司店や海鮮料理店があり、静かで洗練された雰囲気の中で食事を楽しめます。観光客が多い築地と比べて、ゆったりと食事をしたい場合に適しています。

築地市場へのアクセス:最寄り駅と都内の主要駅からのルート

築地市場(場外市場)は、都内の主要エリアからのアクセスも非常に良好。観光の合間に立ち寄りやすく、朝の食べ歩きやランチにもおすすめのロケーションです。

最寄り駅①:東京メトロ日比谷線・築地駅

駅から徒歩5分程度で築地場外市場に到着する、最も便利な最寄り駅。

築地駅の1番または2番出口から築地本願寺方面へ向かって歩くと、すぐ築地場外市場に着きます。

最寄り駅②:都営地下鉄大江戸線・築地市場駅

駅名の通り築地場外市場に非常に近く、A1出口から徒歩で約3分と、アクセス抜群です。

しかし、都営地下鉄大江戸線は駅のホームから地上までが遠く、スーツケースを持っての移動にはあまり適していません。

最寄り駅③:東京メトロ日比谷線、都営地下鉄浅草線・東銀座駅

銀座エリアから歩いて向かう場合に便利な最寄り駅です。

東銀座駅から築地場外市場までは徒歩約10分と、観光ついでに立ち寄るルートとしても適しています。

東京駅・新宿駅・渋谷駅・浅草駅からのルート

先に紹介した最寄り駅まで、東京駅、新宿駅、渋谷駅、浅草駅から向かう場合のルートもおさえておくと、より1日の観光が充実します。

出発駅 所要時間 便利なルート 電車賃の目安
東京駅 約20分 東京メトロ丸ノ内線で銀座駅→東京メトロ日比谷線で東銀座駅 約180円
新宿駅 約20分 都営地下鉄大江戸線で築地市場駅 約270円
渋谷駅 約20分 東京メトロ半蔵門線で青山一丁目駅→都営地下鉄大江戸線で築地市場駅 約290円
浅草駅 約10分 都営地下鉄浅草線で東銀座駅 約220円

築地場外市場では、昔ながらの活気と人情味あふれる雰囲気の中で、地元の人々とのふれあいを楽しむことができます。

伝統的な日本の市場の雰囲気を感じたい人には最適なスポットです。ここで楽しめる飲食店も多彩で、伝統的な寿司やワンハンドで手軽に楽しめるグルメまで充実のラインナップ。

一方の豊洲市場では、最新の設備と整理された見学環境の中で、プロの現場や本格的な競りの様子をガラス越しに体感できます。現代的な市場を見学したい人におすすめです。

どちらも異なる魅力があり、目的に合わせて訪れることで、東京旅行の食体験がぐっと深まります。

時間があれば、両方訪れてみるのも1つの楽しみ方。日本の食文化の今と昔を一度に味わうことができるはずです。

※記事の情報は2025年7月時点のものです。