上野公園を満喫!テーマ別散策ルート 桜だけではない上野公園の魅力

日本有数の桜の名所として知られる、東京の上野公園。

春には上野公園の敷地内や周辺で、合わせて約1,000本もの桜の木が見頃を迎え、訪れる人の目を楽しませます。

しかし、上野公園は春に限らず1年を通じて楽しめる観光スポット。

上野動物園を筆頭に、公園内には数々の博物館や美術館があり、さらには日本の文化に触れられる寺社もあります。

上野公園の基本情報:入園料と開園時間

上野公園の歴史は古く、1876年に日本で初めての公園として開園しました。

丘になっていることから、上野公園ができる以前は『上野の山』と呼ばれ、江戸時代にはすでに桜の名所として人々に親しまれていたといいます。

※写真はイメージ

動物園や美術館、博物館など、現在に続く上野公園のシンボルともいえる文化施設ができたのは、1870~1880年代。

まずは1877年、国立科学博物館の前身となる教育博物館が開館しました。

続いて、1882年には東京国立博物館の前身となる博物館が内幸町から移転し、同年に上野公園で開館しています。

時を経て、1954年には国立西洋美術館が開館。博物館、美術館が数多く集まる上野公園の存在により、上野は『ミュージアムの街』とも呼ばれるようになっていきました。

国立科学博物館の外観

国立科学博物館

上野公園は緑にあふれており、園内を散歩するためだけに訪れるのもおすすめです。

また、一部の施設を除き、上野公園自体への入園は無料で、24時間常に開園しています。

1時間あれば園内を1周でき、レストランやカフェもあるため、観光の合間に休憩場所として訪れるのもいいでしょう。

上野公園内にある噴水

上野公園内にある噴水

しかし、せっかくならば有料の上野動物園や博物館、美術館などもあわせて楽しみたいところです。

より、上野の観光を充実させることができる上野公園の散策ルートを紹介します。

ルート1:日本文化や美術に触れる散策

博物館、美術館が集まる上野公園だからこそ楽しめるのが、日本文化への理解を深める散策です。

加えて上野公園内には寺社もあり、文化や歴史だけでなく、社殿から伝わる日本の美しさの価値観を知ることができます。

上野東照宮:繊細な装飾が美しい社殿

スタートは、上野公園内にある上野東照宮。

重要文化財に指定されている社殿の風格は、歴史を感じる佇まいです。

上野東照宮の社殿

上野東照宮の社殿

大人500円、小学生200円の拝観料を納めると入場できる拝観エリアには、社殿と同じく重要文化財に指定されている唐門と透門があり、そのどちらも見ごたえ十分。

社殿や唐門、透門の細部には繊細な装飾が施されており、美術品といっても過言ではない美しさです。

上野東照宮の社殿

数多くの重要文化財が残る上野東照宮の境内

拝観エリアにある静心所は、日本のわびさびを感じられるスポット。

靴を脱いでから静心所に座り、上野東照宮のご神木と向き合えば、自然と一体化しているかのような、心穏やかな時間を過ごせます。

社殿とは対照的に、華美な装飾を取り払い、シンプルを極めた美しさは、まさに日本独自の美の価値観です。

上野東照宮の静心所

上野東照宮の静心所

住所 東京都台東区上野公園9-88
電話番号 03-3822-3455
参拝可能時間 3~9月/9:00~17:30
10~2月/9:00~16:30
拝観料 大人/500円
小学生/200円
団体(20名以上)/400円

東京国立博物館:日本の美術作品、考古遺物を展示

日本の文化、美の価値観に触れた後は、東京国立博物館へ。さらに多くの、日本の文化財や美術品と出会うことができます。

東京国立博物館の本館

東京国立博物館の本館

東京国立博物館の所蔵品数は、約12万点。その中の89件が国宝、650件が重要文化財と、日本有数のコレクション内容を誇ります。

膨大な所蔵品は、テーマが異なる6つの館で展示されており、中でもおすすめは本館。縄文時代から江戸時代までの日本の美術品を展示しています。

東京国立博物館の展示品

東京国立博物館では展示替えも多い

日本の美術品とひと口にいっても、種類はさまざま。

東京国立博物館の本館では、仏教の美術、水墨画、屛風や襖絵、浮世絵など、ありとあらゆる美術品を網羅しています。

また、東京国立博物館の敷地内には、江戸時代に建てられた伝統的な茶室も。

東京国立博物館の庭園で見ることができる茶室

東京国立博物館の庭園で見ることができる茶室

本館に展示されている美術品を解説とともに見て回り、庭園で伝統的な日本の建築物を鑑賞することで、より深くその時代への理解を深めることができるでしょう。

住所 東京都台東区上野公園13-9
電話番号 050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間 火~木・日曜日9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
金・土曜日9:30~20:00(入館は閉館の30分前まで)
※特別展・企画展は別途
休館日 毎週月曜日(祝日の場合は火曜日が休館日)、年末年始
入館料 一般/1000円
大学生/500円
高校生以下および満18歳未満、満70歳以上/無料
※特別展・企画展は別途観覧料

ルート2:知的好奇心を高める学びの散策

子供から大人まで幅広い世代が楽しめる施設がそろっているのも、上野公園の魅力の1つです。

好奇心を刺激し、学びの場となる施設を組み合わせた、ルート2は特に動物好きにこそおすすめしたいルート。1人でももちろん、家族でも楽しめます。

上野動物園:アフリカの動物や日本の固有種までさまざまな動物たちとの出会い

上野公園を代表する施設の1つが、上野動物園。約300種3,000点もの動物たちが、上野動物園で暮らしています。

上野動物園のパンダのレイレイ

上野動物園のパンダのレイレイ

中でもパンダは上野動物園の顔ともいえる存在。

上野公園内にも、至る箇所でパンダをデザインしたベンチや郵便ポストを発見できます。

上野動物園の正門近くに設置してあるベンチ

上野動物園の正門近くに設置してあるベンチ

また、上野動物園では、動物たちの生活の質を向上させる『アニマルウェルフェア』と呼ばれる取り組みに基づいた飼育、展示をしています。

例えば、ゴリラは群れで暮らす動物です。上野動物園のゴリラは、母親とその子供たち、加えて叔母と、全7頭で群れを形成し、24時間家族で過ごせる飼育環境にしてあります。

上野動物園で暮らすゴリラの群れ

上野動物園で暮らすゴリラの群れ

ほかに、複数の動物種を同じエリアで展示する、混合展示と呼ばれるものも。

それがニホンカモシカとエゾシカです。

異なる動物たちが同じ環境下で共存しているのが、自然界のあるべき姿。展示環境を野生に近付けることで、動物たちの自然な姿や行動が見られます。

上野動物園で展示されている日本の固有種の動物

日本固有種の動物たちも展示されている

住所 東京都台東区上野公園9-83
電話番号 03-3828-5171
開園時間 9:30~17:00
※入園券の発売は16時まで
休園日 月曜日(祝日の場合は火曜日が休園日)、年末年始(12月29日~1月1日)
観覧料 一般/600円
65歳以上/300円
中学生/200円
12歳未満/無料

国立科学博物館:動物たちの生態に迫る

国立科学博物館は、日本館と地球館の2つの建物で構成されており、標本・資料あわせて約2万5千点を展示しています。

国立科学博物館に展示されている、本物の忠犬ハチ公のはく製

国立科学博物館に展示されている、本物の忠犬ハチ公のはく製

見ごたえ十分な展示が並ぶ中、注目は『地球館』。

さまざまな哺乳類や鳥類のはく製が展示されており、動物たちの生態に関する解説とともに、理解をより深めることができます。

だからこそ、国立科学博物館は上野動物園と合わせて来館するのがおすすめです。

上野動物園で実際に動物たちが暮らす姿を見て、国立科学博物館で知識を深め、複合的に学ぶことができます。

加えて、国立科学博物館では、恐竜の復元骨格も展示されているほか、自然史や科学技術など、動物以外の興味関心も深められるのが魅力です。

国立科学博物館の恐竜

恐竜の復元骨格など見どころ多数

住所 東京都台東区上野公園7-20
電話番号 050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間 9:00 ~17:00(入館は閉館の30分前まで)
※特別展の開館時間は、各展覧会の公式ホームページを確認
休館日 毎週月曜日(祝日の場合は火曜日が休館日)、年末年始
入館料 一般・大学生/630円
高校生(高等専門学校生含む)以下および満18歳未満、65歳以上/無料
※特別展は別途料金

ルート3:開運巡りの散策ルート

上野公園ができる前、上野公園一帯は寛永寺の敷地でした。

当時の敷地は現在の上野公園の約2倍ともいわれており、その広さはかなりのもの。

しかし、戊辰戦争(上野戦争)による建物の消失、明治政府による敷地の没収と返還といった複雑な歴史を経て、現在に至ります。

ルート3は、そんな寛永寺に所縁のある寺社を巡るとともに、開運のご利益が期待できる散策ルートです。

不忍池辯天堂:金運にまつわるご利益

上野公園の不忍池に浮かぶ弁天島に建つ、不忍池辯天堂は寛永寺の伽藍の1つ。寛永寺を創始した、慈眼大師天海大僧正により建立されました。

不忍池辨天堂

不忍池辨天堂

不忍池辯天堂が祀る神様は、音楽と芸能の守り神であり、また金運上昇のご利益が得られるとされている弁才天。

また、大黒天も祀られており、戦国時代に活躍した大将軍である豊臣秀吉が大切に崇拝していたという伝説が残されています。

大黒天が祀られている大黒天堂

大黒天が祀られている大黒天堂

参拝後には、不忍池辯天堂のお守りをいただきましょう。金運にご利益がある不忍池辯天堂ですので、やはりいただきたいのは金運上昇のお守り。

なお、不忍池辯天堂では毎年9月に巳成金(みなるかね)大祭が行われ、限定のお守りをいただくこともできます。

不忍池辨天堂のお守り

お守り

住所 東京都台東区上野公園2-1
電話番号 03-3821-4638
参拝可能時間(開堂時間) 9:00~17:00
拝観料 無料

上野東照宮:金色の本殿が美しい

上野公園内にある上野東照宮もまた、寛永寺に所縁のある寺社。

もともとは寛永寺の伽藍の1つだった上野東照宮ですが、後に寺社として切り分けられた歴史があります。

上野東照宮の鳥居

上野東照宮の鳥居

金色の社殿が印象的な上野東照宮で得られるご利益は、出世、勝負運、健康。

縁結びや家内安全など各種お守りがいただけるほか、毎月16、17、18日の3日間には『昇龍守』が頒布されます。

上野東照宮のお守り

『昇龍守』

住所 東京都台東区上野公園9-88
電話番号 03-3822-3455
参拝可能時間 3~9月/9:00~17:30
10~2月/9:00~16:30
拝観料 大人/500円
小学生/200円
団体(20名以上)/400円