東京近郊の自然を満喫!日帰りで楽しむ絶景とグルメの旅 【高尾山】

高尾山

東京の新宿から約1時間で訪れることができる『高尾山』は、アクセスのよさと自然の豊かさから、1年を通して多くの観光客や登山客が訪れる場所です。

2007年にはミシュランガイドで三つ星を獲得し、その存在は世界に広く知られるようになりました。

標高は599m。年間約300万人が訪れるという人気スポットの秘密を探ります。

体力に合わせて、さまざまな登り方が選択可能!

電車で高尾山を訪れる場合、まず京王線の高尾山口駅を目指します。

駅には、飲食店や登山用グッズ、温泉施設、観光案内所があり、高尾山観光の起点となる場所です。

高尾山口駅

高尾山口駅の外観

改札横の観光案内所では、散策に便利な無料のコースマップが配布されています。初めての人はぜひ活用を。

英語版のコースマップも配布されています。

高尾山自然研究路コースマップ

高尾山自然研究路コースマップ

高尾山は観光地として知られていますが、実際には自然環境の中を歩く登山道が続きます。安全に楽しむには、軽装は避け、最低限の登山装備を準備しておくと安心です。

道の多くは舗装されており、スニーカーでも無理なく歩けますが、理想はトレッキングシューズ。

中には革靴やヒールの高い靴を履いている人も見かけますが、危険なので避けましょう。

高尾登山電鉄 清滝駅

ケーブルカーとリフトに乗ることができる高尾登山電鉄の清滝駅

体力や経験に応じて複数のルートを選ぶことができるのが、高尾山ならではの魅力です。

まず、高尾山の山頂へ向かうには、大きく2つの選択肢があります。

1つは、高尾山口駅から主尾根とは別の尾根やその周辺を歩いて登るルートです。

『6号路』と『稲荷山コース』のいずれかをたどることになり、どちらも山頂までは約1時間40分ほど。山道をしっかりと歩く行程になるため、登山に適した装備を整えておく必要があります。

もう1つは、主尾根に沿ってふもとから登る『1号路』です。

徒歩で頂上を目指すこともできますが、途中までケーブルカーやリフトを利用できるため、観光客や体力に自信のない人でも無理なく楽しめるコースとして人気があります。

ケーブルカーやリフトは、高尾山口駅から徒歩約3分の場所にある清滝駅から乗車可能です。

今回はケーブルカーを利用し、定番の『1号路』から山頂を目指します。

ケーブルカー

ケーブルカー

料金はケーブルカーもリフトも同じで、片道490円(税込み)、往復なら950円(税込み)です。

支払い方法は現金のほか、交通系ICカードやタッチ決済に対応しているクレジットカードも利用できます。

ケーブルカーはだいたい15〜20分おきに出発。夕方に向かう場合は、帰りの時間にも気を配っておきたいところです。

ケーブルカーの車窓

ケーブルカーの車窓

緑のトンネルを進むケーブルカーは、ただ乗っているだけでも気分が高まります。

乗車時間は片道およそ6分。高尾登山電鉄のケーブルカーは、最も急な勾配が31度18分と、日本のケーブルカー路線では最大の傾斜を誇ります。

車窓から望むダイナミックな景色と、移りゆく自然の景観を存分に楽しんでください。

『高尾山スミカ』の外観

『高尾山スミカ』の外観

標高472mに位置する高尾山駅がケーブルカーの終点です。ホームを出た瞬間、澄んだ空気と豊かな自然に包まれます。

高尾山駅すぐ横にある『高尾山スミカ』は、そばなどを楽しめる飲食店と軽食やお土産品が買える売店が一体となった施設です。

眺望がよく、『高尾山スミカ』で昼食をとって楽しむ人も多くいます。

天狗焼

『天狗焼』 250円(税込み)

『高尾山スミカ』で販売している『天狗焼』は、天狗の顔をあしらったかわいい焼き菓子。

焼きたてのカリッとした生地の中には、甘さ控えめの黒豆餡が入っています。

ほっとひと息ついたら、いよいよ頂上へ向けて出発です。ここから先は、徒歩でしか進めない登山ルートが続きます。

高尾山の信仰の場である『高尾山薬王院』を通って山頂へ

『1号路』は、高尾山の中腹にある『高尾山薬王院』を経由する、自然と文化が調和した魅力的なコース。参拝ルートとしても知られています。

高尾山

山頂までは、無理のないペースで進んで50分ほどの道のりです。

『高尾山薬王院』へ向かう道は、比較的緩やかな坂道。しかし、山らしい豊かな緑を楽しむことができます。

高尾山薬王院 浄心門

『高尾山薬王院 浄心門』

『浄心門』から先は、『高尾山薬王院』の境内です。ここはまた、山頂へと続く別のルート『3号路』と『4号路』への分岐点でもあります。

門をくぐり抜け先に進むと、分かれ道が。急な階段が続く『男坂』と、ゆるやかにカーブを描く『女坂』です。

体力や気分に応じて、無理のない方を選んでください。

『権現茶屋』の外観

『権現茶屋』の外観

坂道を登りきった先には『権現茶屋』という茶屋も。参拝の前後にここで一服する人も多いようです。

権現茶屋の東京みたらしだんご、江戸甘味噌だんご

(左)『東京みたらしだんご』、(右)『江戸甘味噌だんご』 各500円(税込み)

『権現茶屋』の店頭で焼かれている名物の焼きだんごは、炭火の香ばしさが広がる大ぶりサイズ。

手にするとずっしりとした重みがあり、外はカリッと香ばしく、中はもっちりとした歯ごたえが楽しめます。

みたらしや甘味噌のほか、醤油といった味付けもあり、どれも香り高く、思わずもう1本と手が伸びてしまうおいしさです。

小腹を満たしつつ進んでいくと山門が見えてきます。

そして階段を登り、仁王門をくぐったら、ようやく『高尾山薬王院』に到着です。ぜひ、参拝をしてみましょう。

高尾山薬王院

『高尾山薬王院 本堂』の外観

『高尾山薬王院』の正式名称は『高尾山薬王院有喜寺』。『成田山新勝寺』『川崎大師平間寺』とともに、関東三大本山の1つに数えられます。

歴史は古く、開山は1,200年以上前の744年。

『高尾山薬王院』は飯縄大権現、天狗、薬師如来など、さまざまな崇拝対象が混在している、神仏習合のお寺です。高尾山には天狗伝説や天狗信仰があり、境内のあちこちに天狗の像があります。

高尾山薬王院

『高尾山薬王院 本社』の外観

本堂の左にある階段を登ると、江戸時代中期の社殿建築が美しい『高尾山薬王院』の本社も。こちらもぜひ参拝してみてください。

いよいよ山頂へ! 登山気分を味わおう

ここから山頂へはあともうひと息です!本社の裏にある、急な階段を上がっていきます。

高尾山 山道

高尾山 山道

進むにつれて、道は本格的な登山道に。頂上を目指す場合は、歩きやすい靴での挑戦がおすすめです。

残り、山頂までおよそ20~30分ほどです。

高尾山頂

高尾山頂

ついに高尾山の山頂に到着しました!

『高尾山頂』と記された看板の前は、多くの来訪者が記念写真を撮るフォトスポット。

山頂の広場には飲食店や売店、ベンチ、トイレ、ビジターセンターなどが並びます。

ここからさらに景信山(標高727m)や陣馬山(標高857m)など、別の山を目指して縦走する人も。

高尾山 山頂

高尾山の山頂からは神奈川県の山々だけでなく、天気がよければ富士山まで見ることができる眺望のよさ。

展望台には、周囲の山々の名称を確認できる案内板が設置されています。

下りはトレッキングコースとして人気の『4号路』へ

山頂の絶景を眺め、ひと息ついたら、下山していきます。

下りは、高尾山の豊かな自然を体感できる『4号路』を通ってみることにしました。

高尾山 山道

『1号路』からさらに登山らしさが増した道のりに。緑の木々と、鳥のさえずりを楽しみながら、アップダウンがある道を進んでいきます。

高尾山の吊り橋

高尾山『4号路』にある吊り橋

『4号路』は吊り橋を渡れるのも人気の理由です。さらに秋には、見事な紅葉も楽しめるため、特に多くの人で賑わうコースとなります。

高尾山 リフト乗り場

リフト乗り場

40分ほど下り、『高尾山スミカ』の付近に戻ってきました。帰りはリフトを利用します。

ケーブルカーとリフトは同料金のため、往復券を買っておいて、登りはケーブルカーで下りはリフト、という使い方も可能です。

下りのリフトは、高尾山の急勾配を直に体感することができるため、意外とスリル満点です!

荷物やスマホなどを落としたりしないようにご注意を。

高尾山 リフト乗り場

登山開始からおよそ3時間、清滝駅に戻ってきました。せっかくなので高尾山グルメも堪能していきましょう。

清滝駅と高尾山口駅の間には、さまざまな飲食店がずらり。

江戸時代創業の『髙橋家』では、高尾山信仰の長い歴史を感じながら、そばをいただくことができます。

『髙橋家』の外観

『髙橋家』の外観

『冷しとろろそば』など、おいしいそばが食べられる『高橋屋』の写真やメニューの詳細はこちらの記事をご覧ください。

都心からわずか1時間で、豊かな森に包まれるような体験ができる高尾山。自然と文化が調和したこの山の魅力は、訪れるたびに新しい発見をもたらします。

登山を目的としなくても、ケーブルカーやリフトでの移動や薬王院の参拝など、目的に応じた楽しみ方ができるのが特長です。

特に春の桜、夏の森林浴、秋の紅葉の季節は、ひときわ美しい風景が広がります。気軽に自然と触れ合える場所として、旅の候補に加えてみてはいかがでしょうか。

観光地情報

観光地名 高尾山
たかおさん
Mt. Takao
住所 東京都八王子市高尾町2176
※高尾ビジターセンター
電話番号 042-664-7872
※高尾ビジターセンター
入山可能時間 24時間
※徒歩の場合
閉山日 なし
利用料 無料(一部有料施設を除く)

※記事の情報は2025年8月時点のものです。