東京からすぐに行ける森林浴スポット【4選】 あなたにぴったりの場所はココ!

高尾山の山頂からの景色

東京観光といえば、おいしい食事、最新トレンドのショップやカフェ、個性豊かなミュージアムやテーマパーク。

刺激的な楽しみにあふれる東京ですが、その魅力は決して都会的な要素だけではありません。

実は、にぎやかな都市のすぐそばに、ふと足を止めたくなるような静けさや、心がすっとほどけるような自然が広がっているのです。

喧騒を離れて緑の中をゆっくりと歩く時間が、近年注目を集めている『森林浴』という過ごし方。

木々の間を抜ける風、土の匂い、鳥の声。ただその場に身を置くだけで、深い呼吸ができるようになったり、気持ちが前向きになったりと、心と身体のバランスを整えるウェルネス体験として、海外から訪れる旅行者にも人気が高まっています。

森林浴がもたらす効果

森林浴には、ストレスホルモンの減少、免疫力の向上、集中力アップなど、科学的に裏付けられたさまざまな効果があるといわれています。

自然の中で深呼吸をするだけで、身体のめぐりがよくなり、気持ちが前向きになるというのですから不思議。

まさに、都会の喧騒から離れて、自分をリセットするのにぴったりのアクティビティなのです。

森林浴のイメージ写真

※写真はイメージ

さらに東京では、遠くまで足を運ばなくても、新宿や渋谷といった都心から電車に乗って1~2時間程度で気軽にアクセスできる森のオアシスがたくさんあります。

都心から日帰りで行けるのに、大都市・東京とは思えない、深い緑や清流が広がっているのです。

王道の観光コースとは少し違う、もう1つの東京の魅力を感じに、自然の中へ出かけてみましょう。

高尾山:東京の隠れた自然の宝庫

高尾山の特徴

東京の新宿から電車で約1時間。アクセスのよさとは裏腹に、豊かな自然に囲まれた高尾山は、都市と自然が調和する特別な場所です。

高尾山の山道

高尾山の山道

標高は599mと控えめですが、山頂までのルートは複数あり、体力や登山経験に合わせて選べるのが高尾山の魅力。

登山初心者や観光目的の人には、清滝駅からケーブルカーやリフトを使うルートがおすすめです。

高尾山のケーブルカー

高尾山のケーブルカー

清滝駅は、高尾山口駅から徒歩約3分の場所にあり、現金のほか、交通系ICカードやタッチ決済対応のクレジットカードも利用可能。キャッシュレス派にも安心です。

山頂までの道中には、おみやげや軽食がそろう売店の『高尾山スミカ』や、厄除け、開運で知られる由緒ある寺『高尾山薬王院』など、森林浴だけにとどまらない見どころが点在しています。

『高尾山スミカ』で販売している『天狗焼』

自然の中でリラックスしながら、日本の文化にも触れられる、まさに一石二鳥のスポットが高尾山なのです。

おすすめの服装と装備

高尾山の登山道の多くは整備されており、舗装された部分も多いため、スニーカーでも問題なく歩けます。

高尾山の1号ルート

高尾山の初心者向けの『1号ルート』

ただし、より快適に過ごしたい人や地面の状態が悪い雨上がりの日などは、滑りにくいトレッキングシューズを履くとベター。

高尾山口駅には、登山用品を取り扱うショップも併設されているため、現地で必要なアイテムをそろえることもできます。

高尾山口駅の外観

高尾山口駅の外観

なお、秋冬は標高が上がるにつれて気温が下がるため、上着やウィンドブレーカーもあると、より安心です。

見どころ

初めての高尾山なら、まず歩いてみたいのが『1号路』。

このコースは、ふもとから山頂まで主尾根に沿って伸びており、途中には『高尾山薬王院』を通るルートです。

森林の中を歩きながら、日本の信仰や文化に触れられる、観光にもぴったりなコースとなっています。

『高尾山薬王院 本社』の外観

『高尾山薬王院』の本社の外観

自然の静けさをより深く感じたい人は、『4号路』をぜひ歩いてほしいところ。

こちらは豊かな緑と鳥のさえずりが心地よい、やや起伏のあるコースです。

途中にはフォトスポットとしても人気の吊り橋があり、森林浴気分をぐっと高めてくれます。

高尾山『4号路』にある吊り橋

高尾山の『4号路』にある吊り橋

季節ごとに表情を変える木々や空気の清らかさは、一度訪れたら忘れられないはず。

高尾山は、都心からすぐとは思えない、深い癒しと発見に満ちた山なのです。

高尾山のより詳しい情報はコチラから

御岳山:神話が息づくパワースポット

御岳山の特徴

東京・青梅エリアに位置する御岳山は、古くから山岳信仰の対象として親しまれてきた、由緒ある山。

山頂付近には、1,300年以上の歴史を持つ『武蔵御嶽神社』が佇んでおり、なおかつユニークな伝説が残っています。

御岳山に佇む武蔵御嶽神社

御岳山に佇む『武蔵御嶽神社』

その昔、日本武尊(ヤマトタケル)が道に迷った際、白い狼がその行く手を導いたとされており、その狼は大口真神(おおぐちまがみ)として神格化されたというのです。

以来、御岳山では犬が信仰の対象になっており、愛犬と一緒に参拝できる珍しい神社としても知られています。

犬と参拝できる『武蔵御嶽神社』

犬と参拝できる神社は珍しい

『武蔵御嶽神社』の境内からは、関東平野を一望でき、晴れた日には遠くの山々まで見渡せる絶景スポット。

訪れるたびに、自然の雄大さと神聖さを感じられる、不思議な魅力に包まれた場所です。

武蔵御嶽神社からの絶景

『武蔵御嶽神社』からの絶景

おすすめの服装と装備

『武蔵御嶽神社』の参拝のためにも訪れる人がいる御岳山。

『武蔵御嶽神社』までは、御岳駅からバスで滝本駅で向かい、ケーブルカーを利用した後、急な石段を登っていくルートが一般的です。

JR青梅線の御嶽駅から出ている滝本駅までのバス

JR青梅線の御嶽駅から出ている滝本駅行きのバス

参道は整備されているため、参拝のみであればスニーカーでも問題ありません。

ただし、道中には勾配がきつい場所もあるため、歩きやすい靴を選びましょう。

御岳山のコース

レンゲショウマの群生地

もしケーブルカーやバスを使わずに、歩いて御岳山を目指す場合や、神社を越えてさらに奥の登山道に進む場合は、足首をしっかり支えてくれるトレッキングシューズがおすすめです。

なお、気候や季節によっては、上着や雨具も忘れずに。

見どころ

御岳山を訪れたら、ぜひ足を伸ばしてみたいのが『ロックガーデン』と呼ばれるエリアです。

御岳山の『ロックガーデン』

御岳山の『ロックガーデン』

『武蔵御嶽神社』の裏手にある『長尾平』を抜けると、静けさと緑に包まれた清流沿いのトレイルが広がります。

澄んだ空気の中、木々の間を流れる水の音が心を穏やかにしてくれるはず。

途中には、『天狗岩』と呼ばれる巨大な岩があり、鎖を使ってよじ登ると、眼下には一面の緑が広がります。ちょっとした冒険気分を味わえるポイントです。

御岳山の天狗岩

御岳山の名物である『天狗岩』

そのまま奥へ進むと、目に飛び込んでくるのが、落差10mの『綾広の滝(あやひろのたき)』。

『武蔵御嶽神社』の修行の場としても使われてきた神聖な場所で、ひんやりとした空気に包まれると、心まで清められるような感覚になります。

御岳山の綾広の滝

御岳山の『綾広の滝』

『ロックガーデン』の飛び石や木橋を渡れば、冒険心が刺激されること間違いなし。

御岳山は、自然と神話、静けさと冒険が絶妙に混ざり合った、東京とは思えない深い森の聖地なのです。

御岳山のより詳しい情報はコチラから

長沼公園:知る人ぞ知る、静かな森で深呼吸

長沼公園の特徴

京王線の長沼駅から徒歩5分程度。多摩丘陵の自然をそのまま生かした長沼公園は、観光地としての派手さこそありませんが、その分、静かで穏やかな森林浴を楽しめる穴場のスポットです。

長沼公園の『霧降の道』の途中にあるベンチ

長沼公園の『霧降の道』の途中にあるベンチ

歩きやすく整備された散策路が多く、体力にあまり自信がない人や、初めて森林浴を体験してみたいという人にも最適。

所要時間1時間程度の、公園全体をぐるりと回る周回ルートに加えて、丘の上へとのぼる尾根道も複数あり、その日の気分に合わせて自由にルートを選ぶことができます。

長沼公園の頂上園地

長沼公園の『頂上園地』

高台にある『頂上園地』には、屋根付きのベンチや整備された公衆トイレも完備されており、ちょっとしたピクニック気分。

広々とした開放感あふれる環境も魅力的で、自然豊かな環境の中で深呼吸すれば、気持ちがリフレッシュするはずです。

また、長沼公園の園内では、シジュウカラやジョウビタキといった野鳥にも出会えるため、双眼鏡を片手にバードウォッチングを楽しむ人もいます。

長沼公園の野鳥

長沼公園の野鳥一覧

おすすめの服装と装備

長沼公園は、舗装された道や比較的なだらかな自然道が中心なので、スニーカーなどの歩きやすい靴があれば十分です。

登山用のトレッキングシューズまでは必要ありませんが、足元は滑りにくく疲れにくいものを選ぶと安心です。

なお、園内には売店や自動販売機がないため、事前に最寄りの長沼駅周辺で飲み物や軽食を用意しておくのがベスト。

天気のいい日にはお弁当を持参して、ベンチでのんびりランチタイムを楽しむのもおすすめです。

見どころ

長沼公園を訪れたらぜひ歩いてみたいのが、四季折々の花々が咲き誇る『霧降の道』。

春には梅や桜、初夏には新緑、秋には紅葉と、季節ごとに異なる表情を見せてくれる道で、まるで自然のアートギャラリーです。

四季折々の花々や木々に囲まれ、ゆったりとした気持ちで散策を楽しめます。

長沼公園の『霧降の道』

長沼公園の『霧降の道』

よりアクティブに楽しみたい人におすすめしたいのが、『野猿の尾根道』。ゆるやかなアップダウンが続く尾根道で、トレイルランナーにも人気のルートです。

足元が安定しているので、登山初心者や子供連れでも安心して歩けます。

長沼公園の『野猿の尾根道』

長沼公園の『野猿の尾根道』

そして春にぜひ歩きたいのが、『殿ヶ谷の道』です。

なだらかに広がる斜面を下るこの道は、桜の季節になると見事な桜のトンネルに変わります。

長沼公園の『殿ヶ谷の道』

長沼公園の『殿ヶ谷の道』

頭上を覆う花のアーチの下で森林浴を楽しむ時間は、都会の喧騒を忘れさせてくれる特別な体験になるはず。

自然と静けさを求める大人のための隠れ家のような長沼公園は、派手さはないけれど、心がそっと整えてくれる場所です。

長沼公園のより詳しい情報はコチラから

代々木公園:都会の中のグリーンオアシス

代々木公園の特徴

渋谷、原宿エリアにありながら、深呼吸したくなるような豊かな緑に囲まれた代々木公園は、東京で最もアクセスしやすい森林浴スポットの1つ。

メインゲートとなる『原宿門』は、JR原宿駅から徒歩わずか3分という近さで、ショッピングの合間や、カフェ巡りのあとにふらっと立ち寄れます。

代々木公園のメインゲートである原宿門

代々木公園のメインゲートである『原宿門』

公園のすぐ隣には明治神宮があり、歴史ある神聖な森とモダンな都市公園という、2つの異なる自然を一度に楽しめる贅沢なロケーション。

入口近くの『オリンピック記念宿舎前広場』では、季節の花々が色とりどりに咲き誇り、訪れる人々の目を楽しませてくれます。

代々木公園のサイクリングロード

サイクリングコースを示す標識

また、公園の北側にはサイクリング専用コースも整備されており、緑のトンネルの中を爽快に走ることも。

園内の『サイクリングセンター』では、1時間210円(税込)でレンタルでき、2人乗り自転車も用意されています。

都会にいながら、自然の風を感じるひと時を過ごせるスポットです。

おすすめの服装と装備

代々木公園はほとんどが平坦で、道幅も広く、特別な装備がなくても安心して歩けるのが嬉しいところ。

観光の途中に立ち寄るなら、普段のスニーカーやカジュアルな服装で十分です。

ただし、公園の奥にある雑木林エリアを訪れる場合は、土の道や木の根が露出しているところもあるので、歩きやすいスニーカーやローヒールの靴を選ぶと安心。

レジャーシートや飲み物を持っていくと、園内中央に広がる『中央広場』でのんびりとした時間も楽しめます。

見どころ

代々木公園の自然をじっくり感じたいなら、まず訪れたいのが『オリンピック記念宿舎前広場』から西側へ進んだ先にある『丘の広場』と呼ばれるエリア。

春は桜、夏は新緑、秋には色とりどりの紅葉、冬は澄んだ空気と、どの季節も違った表情で迎えてくれる場所です。

特に春の桜は絶景で、東京都内でも有数のお花見スポットとして、3~4月は特に賑わいます。

代々木公園の『丘の広場』

代々木公園の『丘の広場』

『丘の広場』をさらに進むと、自然のままの姿を残す『雑木林』のエリアに到着。

小さな丘や起伏に富んだ地形が広がり、舗装されていない土の道の先には、樹齢50年を超える木々が立ち並ぶ静かな森が待っています。

雑木林エリアの凛とした静けさは、まるで都会の真ん中に森の秘密基地があるかのよう。

代々木公園の雑木林エリア

代々木公園の『雑木林』

そして、『中央広場』の一面に広がる芝生は、森林浴にピクニックをプラスしたいときにぴったりなエリア。

敷物を広げておしゃべりを楽しんだり、読書をしたり、ただ寝転んで空を見上げたり、誰もが思いおもいの時間を過ごしています。

代々木公園の『中央広場』

代々木公園の『中央広場』

代々木公園のより詳しい情報はコチラから

今回紹介した4つのスポットは、いずれも都心から日帰りで行ける場所ばかり。

観光の合間に立ち寄るのはもちろん、自然の中で1日ゆったりと過ごすプランもおすすめです。

自分のペースや旅のスタイルに合った森林浴を、東京で見つけてください。

森林浴スポット比較表

「体力に自信がないけど大丈夫かな?」「英語の案内があると助かるな」といった不安も、この比較表で事前にチェックしておけば安心です。

スポット名 所要時間(目安) 難易度 外国語対応
高尾山 1~4時間(コースによって異なる) ★★☆☆☆(コースによって異なる) 英語版のコースマップの配布あり
御岳山 1~3時間(ケーブルカーを利用するか否かで異なる) ★★★☆☆ 英語版のエリアマップの配布あり
長沼公園 1~2時間 ★☆☆☆☆ 日本語の園内マップのみ。公式サイトで確認可能
代々木公園 30分~2時間 ★★★☆☆ 園内に英語・中国語・韓国語の翻訳機能付きの看板あり。公式サイトに英語・中国語・韓国語表記のマップあり

東京の、もう1つの魅力である自然とのふれあい。スニーカーを履いて、森の中を歩いてみれば、新しい発見と、静かな癒しの時間が、きっと待っています。

※メニューの内容や料金、店舗情報などは2025年9月時点のものです。