羽田空港からも寄りやすい 航空や旅行の安全にご利益のある穴守稲荷神社 

穴守稲荷神社

羽田空港近くに鎮座する穴守稲荷神社(あなもりいなりじんじゃ)は、航空や旅行の安全にご加護があるといわれています。

京浜急行電鉄空港線の羽田空港第1・第2ターミナル駅から、3駅目にある穴守稲荷駅が最寄りのため、旅の合間に訪れやすい神社です。

さまざまなご利益を授かることができるといわれており、2024年現在では人気ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー(以下、ウマ娘)』の関連スポットとしても知られています。

穴守稲荷神社

穴守稲荷神社

千本稲荷をくぐり奥之宮と稲荷山へ

現在の羽田空港がある地に立地していた、穴守稲荷神社。

もともとは羽田空港一帯の地主神として創建されたと伝えられます。

鳥居

さまざまなお稲荷様に出会えるのも、穴守稲荷神社の魅力の1つです。

それぞれへの参拝の前に、まずは手水舎(ちょうずしゃ・ちょうずや)で手と口を清めてから、拝殿に向かいましょう。

手水舎

手水舎

拝殿では感謝の印であるお賽銭を賽銭箱に入れ、二礼二拍手一礼でお参り。

二度深くお辞儀をして、二度手を叩きます。この時、手を少しずらして叩くのがポイントです。よい音が鳴り響きます。

そして、最後にもう一度深くお辞儀を。これが二礼二拍手一礼での参拝方法です。

穴守稲荷神社

拝殿

拝殿の横には、朱塗りの鳥居が連なる千本鳥居があります。

鮮やかな朱色が映える鳥居の列をくぐった先には、洞窟の中のような奥之宮が。

ここでも拝殿と同じように二礼二拍手一礼でお参りをしましょう。

千本鳥居

千本鳥居

奥之宮には、お稲荷様のお使いであるキツネの像が、大きなものから小さなものまで数多く奉納されています。

なかなか見ることのできない光景は、圧巻です。

千本鳥居の横には、必勝稲荷、開運稲荷、出世稲荷、繁栄稲荷が鎮座しています。こちらもぜひとも覗きたいスポットです。

奥之宮

奥之宮

奥之宮の左横には階段があり、稲荷山へ上がることができます。

稲荷山

稲荷山

頂上に向かう途中には、いくつもの稲荷様が。その一番奥には航空稲荷があります。

航空安全のご利益があるとされているので、よく旅行に出かける人、これから飛行機に乗る人などは、ぜひお参りを。

しっかり拝んで、旅の安全を祈願しましょう。

航空稲荷

航空稲荷

稲荷山の頂上には稲荷上乃社(いなりかみのしゃ)と御嶽神社(おんたけじんじゃ)が鎮座しています。

御嶽神社には『軾石(ひざつきいし)』というものがあり、この石にひざまずくのが、一般的なお参り方法です。

(左)稲荷上乃社、(右)御嶽神社

周りにはビルが建っているものの頂上からは、境内を一望できます。

千本鳥居を見下ろせる場所は、ほかにはほとんどないのではないでしょうか。

稲荷山の頂上

福を招く御神砂をいただく

稲荷山を下りると、御神穴(おあな)と呼ばれる洞窟に着きます。

賽銭箱の横には、砂で満たされたいくつかの箱が。これは穴守稲荷神社で有名な『御神砂』です

奥之宮

奥之宮

『御神砂(ごしんさ)』は、砂の横に置かれた紙袋に入れて持ち帰り、自宅や店などで撒くと、さまざまなご利益があるとされます。

家内安全や商売繁盛には玄関に、新築の際は敷地の中心に撒くのがよいとのことです。

『御神砂』

『御神砂』

『御神砂』には、こんな話が伝えられています。

昔、ある漁師が釣った魚を魚篭(びく)という入れ物に入れて帰りました。

ところが、どういうわけなのか、魚篭には魚が入っておらず、中には濡れた砂だけが。

この出来事は、大漁だった次の日にも起こったそうです。

周りの人々はキツネの仕業に違いないと決めつけ、キツネを捕らえました。

『御神砂』

しかし、「かわいそう」と思ったのか、漁師はキツネを許し、野に放すことに。

すると、次の日から漁師は大漁続きになります。そして漁師の魚篭には、気付いたらたくさんの魚と少しの砂が入っていました。

帰宅後、その砂を家で撒いたところ、その日から漁師の家には魚を求めて訪れるお客が増え、結果的に大きな富を得たそうです。

以来、この砂は招福の砂とされ、多くの人々がこの地の砂を求めるようになったといわれます。

競走馬ゆかりの神社は『ウマ娘』の聖地に

穴守稲荷神社は羽田空港から近いためか、神社にはスーツケースを持った参拝者も多く見かけます。

中には訪日外国人の姿も少なくありません。

境内には、お守りなどが並ぶ社務所の隅に、スーツケースなどをチェーンロックで結んでおける簡単な荷物置き場も用意されています。

空港へ向かう途中でも安心してお参りできますね。

荷物置き場

バゲッジポート

穴守稲荷神社は、かつて一世を風靡した競走馬にゆかりのある神社でもあります。

馬の名は『イナリワン』。馬主は穴守稲荷神社の熱心な参拝者でした。

名前にある『イナリ』は『穴守稲荷神社』から取ったもの。そこに、レースで一番になってほしいとの願いから『ワン』を付け、『イナリワン』と名づけられました。

社務所には『天皇賞』や『宝塚記念』などの、有名なレースで優勝をした際の飾りなどが展示されていて、申し出ると見学することができます。

『イナリワン』関連グッズ

最近では、競走馬を擬人化したキャラが登場する『ウマ娘』というゲームでも、『イナリワン』は活躍。

そのため、『ウマ娘』ファンの中で、穴守稲荷神社は聖地と呼ばれています。

『ウマ娘』はマンガやアニメなどにもなり、世界的にも展開されているので、外国人観光客が穴守稲荷神社に訪れる理由の1つになっているのでしょう。

『イナリワン』関連グッズ

社務所内では、御朱印や授与品をいただけます。

羽田空港から旅立つ前に立ち寄る人も多いそうで、航空安全のお守りなどが人気です。

お守り

(左)『福徳守』 1,500円、(中)『旅行安全守』 1,000円、(右)『航空安全御守』 1,000円

また日本の航空会社とコラボをした御朱印帳があります。

飛行機があしらわれたデザインはとてもかわいらしく、航空機マニアでなくてもいただきたいと思うでしょう。

御朱印帳

(左)御朱印帳(全日空) 3,500円、(右)御朱印帳(日本航空) 3,500円

神社を後にする前に水琴窟の響きも

社務所の前にある、石造りの小さな水鉢の横には、水琴窟(すいきんくつ)があります。

鳥居の置き物の前には、向かい合っているキツネの像が。水鉢から柄杓で水をすくい、キツネにかけてみましょう。

少しすると、鉄琴を奏でたような音が地中から聞こえてきます。

これは地中に壺が埋められているため。現代音楽のような音色は、とても清らかで印象的です。

穴守稲荷神社のお参りの最後には、ぜひ水琴窟の響きに身も心もゆだねてみてください。

水琴窟

水琴窟

もし時間があったら神社から徒歩10分ほどのところにある旧一の鳥居を訪れてみましょう。

旧一の鳥居

旧一の鳥居

穴守稲荷神社が現在の場所に移転する前の参道にあった鳥居で、多摩川の川辺に建っています。

時折、大きな鳥居の向こうに離陸したばかりの飛行機が飛んでいく姿が見られますよ。

旧一の鳥居

寺社情報

名前 穴守稲荷神社
あなもりいなりじんじゃ
Anamori Inari Jinja Shrine
住所 東京都大田区羽田5-2-7
アクセス 穴守稲荷駅出入口から徒歩5分
  • 京浜急行電鉄空港線(KK14)

天空橋駅A2口から徒歩6分
  • 京浜急行電鉄空港線(KK15)
  • 東京モノレール(MO07)
電話番号 03-3741-0809
参拝可能時間 24時間
授与品 8:30~17:00
御朱印 8:30~17:00
おみくじ 8:30~17:00
拝観料 無料
ウェブサイト https://anamori.jp/
その他
  • 日本語・英語対応の看板・御朱印・お守りあり。日本語・英語・中国語・韓国語対応のおみくじあり
  • バリアフリー化エリアあり
  • トイレあり
  • スーツケースの持ち込み可
  • 一部撮影禁止エリアあり
  • 土足禁止エリアあり

※記事中の情報は2024年10月時点のものです。