歴史情緒あふれる古民家で本物のちゃんこ鍋を満喫【料亭 時葉山】

料亭 時葉山

ちゃんこ鍋は、日本の相撲文化と深く結びついた、伝統的な鍋料理です。

力士の食事は、体格を維持し強化するために、栄養バランスが何よりも重要とされてきました。

たんぱく質を中心に、さまざまな食材を取り入れられる鍋料理は、まさに力士にとって理想的な料理。そうした背景から生まれたちゃんこ鍋は、今では家庭の食卓でも親しまれる存在となっています。

『料亭 時葉山』は、元力士が創業した、本物のちゃんこ料理を伝統的な日本建築で楽しめる老舗料亭です。

料亭 時葉山 内観

ちゃんこ鍋は1900年代初め頃から、大きな鍋を囲み、みんなで食べるスタイルが広まったといわれています。

出汁や鶏ガラなどをベースに、醤油や味噌で味を付けたスープで、鶏肉や多種類の野菜、豆腐などを煮込むのが一般的な調理方法です。

相撲部屋では番付に基づいてちゃんこ鍋が提供され、みんなで同じ鍋を食べることでコミュニティの絆を深める役割も果たしてきました。

しかし、広く親しまれるようになった現在では、店や家庭で食べる際に厳しいマナーはなく、同じ料理を共有する楽しさを体験できます。

料亭 時葉山 ちゃんこ鍋

『料亭 時葉山』は元力士の時葉山が創業。伝統的なちゃんこ鍋を中心に、季節の旬の素材を生かした日本料理のコースが楽しめる名店として、著名人をはじめ各界の美食家に支持されています。

1940年代に建築されたクラシカルな日本建築の中は、部屋ごとで座敷や掘りごたつ、テーブル席に分かれており、全室個室です。

創業者が現役の力士だった頃、実際に使用していた本物のまわしなど貴重なものが展示されている部屋もあります。

料亭 時葉山 内観

豪快な鮮魚の姿造りと名物『アバンギャルドマグロ付きコース』

『料亭 時葉山』の魅力を思う存分味わうには、『おまかせコース』がおすすめです。

値段によって内容が異なり、今回紹介するのは1人前9,000円のコース。

まずは前菜として、その時期の旬の野菜で作る、一品料理が提供されます。

前菜(豆腐に仕立てた山菜の天ぷら)

『前菜(豆腐に仕立てた山菜の天ぷら)』※日によって変動

続いて登場する『鮮魚の姿造』は、その迫力と美しさで目を奪われるばかり。

新鮮な魚がまるごと一尾、美しく盛り付けられており、繊細な包丁さばきや鮮やかな色彩に、思わず心が躍ります。

鮮魚の姿造り

『鮮魚の姿造』※日によって変動

創業者の長男である現オーナーの春木敏哉氏は、かつて釣り専門のテレビ番組にレギュラー出演するほど海や釣りに精通した料理人。

関東だけでなく九州などの海で自ら釣った魚や、プロならではの目利きで仕入れた旬の魚介を、最も美味しい状態で提供することにこだわっています。

アバンギャルドマグロ

『アバンギャルドマグロ』 ※写真は3人前。部位は日によって変動

『鮮魚の姿造』の後に提供されるのは、『料亭 時葉山』でちゃんこ鍋と並ぶ名物『アバンギャルドマグロ』です。

マグロはその時期ごとに旬を迎える天然ものを厳選。さまざまな部位の魅力を引き出すようにカットされたマグロは、ルビーのように美しい身の赤さが魅力です。

『アバンギャルドマグロ付きコース』のアバンギャルドマグロ

まずは刺身で、醤油とワサビを添えて味わいましょう。天然マグロならではの豊かなうまみが、口いっぱいに広がります。

さらに、1卓ごとに用意される七輪で軽く炙り、塩をひとつまみ。ひと口頬張れば、とろけるような脂の甘みが広がり、思わずのけぞるほどのおいしさを感じられます。

ぜひ両方の食べ方で楽しんでください。

『アバンギャルドマグロ付きコース』のアバンギャルドマグロ

口の中でとろける上質な和牛

続いて提供されたのは、福島県の最高級ブランド黒毛和牛である、『福島牛』のイチボもしくはランプ。

福島牛

『福島牛』

『福島牛』は必ず七輪でグリルしてからいただきましょう。表面だけ炙りレアで仕立てるのがおすすめです。

炭火焼きの香ばしさと、上質な和牛ならではのうまみが同時に味わえます。

焼き過ぎると、せっかくのやわらかい身が固くなるので、注意してください。

福島牛

次に提供されたのは、『鶏の手羽先揚げ』です。

半世紀以上受け継がれる自家製のタレに漬け込み、香ばしく揚げた手羽先は、「白星が沢山とれるように」という思いを込めて白胡麻がたっぷりまぶされジューシーな味わい。

仕入れ状況によっては別の揚げ物料理になることもあるので、予約時に確認してください。

手羽先揚げ

『手羽先揚げ』

伝統を受け継ぐ味わい深いちゃんこ鍋

続いて、メインディッシュのちゃんこ鍋の登場です。

『料亭 時葉山』では、醤油味の『正油ちゃんこ』と味噌味の『味噌ちゃんこ』の2種類のちゃんこ鍋があります。お好みのほうを1つお選びください。

時葉山 正油ちゃんこ

『料亭 時葉山』の『正油ちゃんこ』は、鶏もも肉と鶏団子が主材。ほかには、キャベツやニンジン、玉ねぎ、ジャガイモ、シメジ、エノキ、こんにゃくなど15種類の旬の野菜がぎっしり入っています。

ちゃんこ鍋の具材に明確な決まりはないですが、「主材となるタンパク質は1種類だけのちゃんこ鍋が、相撲部屋で食べられていた伝統的なスタイルです」と春木氏。

時葉山 正油ちゃんこ

『正油ちゃんこ』(写真は2人前)

『料亭 時葉山』のちゃんこ鍋は、すべて盛り付けられた状態で提供されます。

スープは自家調合した醤油とみりん、鶏ガラスープがベース。そこにじっくり煮込んだ多彩な野菜が合わさることで、シンプルながらも奥深い味わいを生み出しています。

時葉山 正油ちゃんこ

ちゃんこ鍋の準備や皿への盛り付けは、女将さんやスタッフが行います。自分の皿が空になる度に取り分けてくれるのが『料亭 時葉山』のホスピタリティ。

食事と会話を心ゆくまで楽しむことできる、嬉しいおもてなしです。

時葉山 女将さん

鍋料理の最後には、残ったスープにご飯や麺を加えて食事を締めるスタイルが、日本では親しまれています。

『料亭 時葉山』では、ご飯とうどんを用意。

ご飯の場合は、溶いた卵を加えて雑炊にします。鍋のスープと卵が合わさり、まろやかな風味に。

正油ちゃんこでつくった雑炊

〆の雑炊

うどんで締める場合は、麺を鍋に入れて再度煮込みます。うまみたっぷりのスープがよく絡んだ麺は、つい箸が止まらなくなるおいしさです。

どちらも具材とスープを余すことなく最後まで楽しむことができ、満足度は抜群。そのときの好みでチョイスしてください。

そして、最後にデザートが提供されてコースは終了です。

〆のうどん

〆のうどん

相撲は手をついたら負けというルールから、古来のちゃんこ鍋は豚などの4足歩行の動物の使用は禁止され、主材のタンパク質は手が地面につかない2足歩行の鶏肉でした。

しかし一般家庭にも広く親しまれるようになった現代では、ちゃんこ鍋の具材も多様化しています。

『料亭 時葉山』でも豚肉を主材にした『味噌ちゃんこ』が、コク深いと人気です。

全国から厳選した日本酒とともに個室空間で贅沢な食文化体験を

日本の伝統料理の1つであるちゃんこ鍋は、日本酒との相性も抜群です。

『料亭 時葉山』では、全国各地から地酒を厳選しており、稀少な銘柄がラインナップに加わることも。

1万6,500円(税込み)からある『おまかせコース飲み放題付きコース』を選ぶと、ビールやウイスキー、焼酎などが飲み放題で思う存分楽しめます。

日本酒

『料亭 時葉山』では、ちゃんこ鍋のコースだけでなく、ふぐの刺身と鍋が堪能できる贅沢な『とらふぐコース』や『天ぷらコース』など多彩に楽しめます。

趣深い古民家のプライベートが守られた空間で、日本の豊かな食文化をゆっくり楽しむ時間は、記憶に刻まれる体験になるでしょう。

料亭 時葉山 外観

店舗情報

店名 料亭 時葉山
りょうてい ときばやま
Ryotei Tokibayama
住所 東京都江東区森下4-24-10
アクセス 菊川駅A2出口から徒歩7分
  • 都営新宿線(S12)

  • 森下駅A4出口から徒歩10分
    • 都営新宿線(S11)
    • 都営大江戸線(E13)
電話番号 03-3634-8705
予約
※完全予約制
※電話から予約可能(予約専用ダイヤル:080-1105-9687
支払い方法
  • 現金
  • クレジットカード可(American Express・Diners・JCB・VISA)
  • 電子マネー不可
  • QRコード決済不可
サービス料・席料 サービス料10%
営業時間 17:00〜21:30(LO21:00)
定休日 なし
※不定休
席数 完全個室80席
喫煙・禁煙 完全禁煙
ウェブサイト https://www.tokibayama.com/
その他
  • 日本語・英語対応のメニューブックのみあり
  • アレルギー対応メニューは注文時に相談可。ヴィーガン・ベジタリアン・ハラール対応メニューなし
  • 車いす不可
  • テイクアウト、デリバリー不可
  • スーツケースを置くスペースあり
  • Wi-Fiあり
  • 客が撮影した店の料理写真や動画のSNS投稿は可
  • 個別会計は不可(状況に応じて要相談)

※メニューの内容や料金、店舗情報などは2025年5月時点のものです。