国際大会の会場にも使用される『国立競技場』の近くに、鳩森八幡神社はあります。
ご神木である大きな銀杏の木を筆頭に、境内が自然であふれた鳩森八幡神社は、地域住民の憩いの場。
また、富士山を模して作られた富士塚の『千駄ヶ谷の冨士塚』や、将棋の駒である『王将』が納められた『将棋堂』など、見どころがたくさんあります。
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東京にいながら富士登山
富士山は、日本を代表する山です。
観光地としての印象が強い富士山ですが、『富士山信仰』と呼ばれる、信仰の対象でもあります。
『富士山信仰』は江戸時代に庶民の間で広まり、同時に、富士山を登ることができない人のため、富士塚が江戸(現在の東京)周辺に作られました。
富士塚を登ることで、富士山を登頂した際と、同じ効果やご利益が得られるとされています。
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『千駄ヶ谷の冨士塚』
『千駄ヶ谷の冨士塚』は、東京都内に現存する数少ない富士塚の1つ。
富士山に見立てているため、鳩森八幡神社の『千駄ヶ谷の冨士塚』には、頂上までの位置とルートを示す看板が建てられています。

山頂までは5分もかからず到着できる。
山頂には浅間神社があるため、参拝もお忘れなく。東京にいながら、富士山に登ることができ、御利益も得られるスポットです。

山頂には、富士山の溶岩が配置されている
将棋の強さ向上を願う『将棋堂』
『千駄ヶ谷の冨士塚』とならび、鳩森八幡神社ならではのスポットが『将棋堂』です。
将棋の普及発展などを目的にした団体『日本将棋連盟』から、1986年に約1.2mの大きな王将が鳩森八幡神社に奉納され、同年に『将棋堂』が建てられました。
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『将棋堂』の中には大きな王将が奉納されている
毎年1月には、将棋堂祈願祭が行われているほか、鳩森八幡神社には『王手勝守』や『王手守』といった、将棋にちなんだお守りも。
『将棋堂』は、将棋の強さ向上を願う人が数多く参拝するようになり、棋士の聖地となっています。
荘厳な社殿と愛らしい授与品の数々
荘厳な雰囲気がただよう鳩森八幡神社の社殿は、1945年に戦災により一度、焼失しています。
現在の社殿は、在りし日の姿を復元したもので、1993年に完成しました。
古きよき昔の姿を取り戻した現在の鳩森八幡神社は、すべてけやきで作られています。
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二礼二拍手一礼で参拝をしたら、社殿を正面にして左側の社務所で、お守りや御朱印をいただきましょう。
鳩森八幡神社は、名前に由来する鳩をデザインしたものが複数あります。

願い事を記して奉納する絵馬にも、鳩が描かれている
中でもかわいらしいのは、鳩が飛んでいる様子を表現した『鳩みくじ』です。
おみくじかけに結ぶと、まるで鳩が身を寄せ合っているようにも見えて、愛らしさ満点。

『鳩みくじ』
さらに、鳩森八幡神社は、海外からの参拝客に向けた『外国語みくじ』があります。
『外国語みくじ』は、日本語のほか、英語、韓国語、簡体字、繁体字の5言語で記載されたおみくじです。
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御朱印は、9~17時の間にいただくことができます。
初穂料として500円を納め、御朱印帳を渡すと、その場で御朱印を記載してくれます。

鳩森八幡神社では、富士塚、つまり富士山を登り、参拝した証としていただける『千駄ヶ谷富士登拝御朱印』という御朱印も。
初穂料は、500円。ぜひ2種類ともいただいてみてはいかがですか。
歴史と文化に触れる能楽堂
境内にある、ガラス張りの建物は、日本の伝統芸能である能や狂言を上演する能楽堂です。
鳩森八幡神社の能楽堂は、週に数回、能の稽古場として使用されています。
運がよければ、能の練習風景を間近で見ることができるかもしれません。
取材中には、能楽師の辰巳満次郎(たつみ・まんじろう)さんの稽古が行われており、特別にUmami bites編集部のスタッフも、参加させてもらえることに。

能楽師の辰巳満次郎さん
また、鳩森八幡神社では、『鳩森薪能(はとのもりたきぎのう)』を毎年開催しており、能楽堂はその舞台として使用されています。
薪能とは、夏場の夜に、舞台の周囲にかがり火を焚いて行われる、能の公演。
鳩森八幡神社の公式ウェブサイトで公演情報を見ることができるため、ぜひ本物の能を鑑賞してみてください。
日本の歴史や文化と密接にかかわる能を鑑賞すれば、より日本への興味と理解が深まるはずです。
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緑豊かな鳩森八幡神社は、自然に触れたい人にこそおすすめの神社。
また、『千駄ヶ谷の冨士塚』や能楽堂、『将棋堂』は、日本の歴史や文化への興味や関心を深めてくれることでしょう。
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鳩森八幡神社のご神木である、戦火を逃れた大きな銀杏の木
寺社情報
名前 | 鳩森八幡神社 はとのもりはちまんじんじゃ Hatonomori Hachiman Shrine |
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住所 | 東京都渋谷区千駄ケ谷1-1-24
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アクセス |
千駄ヶ谷駅改札口から徒歩4分
国立競技場駅A4出口から徒歩4分 北参道駅2番出口から徒歩5分 |
電話番号 | 03-3401-1284 |
参拝可能時間 | 24時間 |
授与品 | 9:00~17:00 |
御朱印 | 9:00~17:00 |
おみくじ | 9:00~17:00 |
拝観料 | 無料 |
ウェブサイト | https://www.hatonomori-shrine.or.jp/ |
その他 |
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※記事中の情報は2024年4月時点のものです。