合格祈願に訪れる受験生たちが絶えない梅の名所 学問の神を祀る湯島天満宮

湯島天神

湯島天満宮は、学問、文学、詩歌、書道、芸能の神とされる菅原道真(すがわらの・みちざね)公を祭神としている神社。

志望校合格を目指す受験生がお参りする神社として知られているほか、梅の名所としても有名です。

梅園

境内では梅の御紋に注目

お参りの前には、手水舎(ちょうずしゃ・ちょうずや)に向かいましょう。

ここでは手と口を清めます。

手水舎

手水舎

清め終わったら社殿へ。社殿の前では、賽銭箱に感謝の印であるお賽銭を入れ、二回深くお辞儀をして、二回手を叩きます。

この時、左右の手を少し上下にずらすのがポイント。手を叩いた時の音が、よりよく響きます。

最後に、もう一度深くお辞儀を。これを二礼二拍手一礼といい、湯島天満宮など多くの神社で行われているお参りの方法です。

社殿

社殿

お参りの時には、賽銭箱にある5つの丸の紋にも注目しましょう。これは梅を表す紋章です。

社殿やほかの建物の随所にも、梅の紋章があります。参拝の際に探してみるのもいいですね。

梅の紋章

5歳の時に梅についての短歌を詠むなど、菅原道真公は幼い頃から梅を愛していました。

そのため、菅原道真公を祀っている湯島天満宮と梅は深く結びついています。

春になると、白や赤の梅が咲き誇りる湯島天満宮の梅園。満開になる様は、一見の価値があります。

『撫で牛』をなでて祈願しよう

手水舎の横には、『撫で牛』と呼ばれている、横たわった牛の像があります。

「知恵が付くように」と願いを込めて牛の頭をなでる学生や、像に手を合わせてお願いをする人など、祈願の方法はさまざま。

いずれにしても、多くの人から『撫で牛』が信仰されていることが分かります。

『撫で牛』

『撫で牛』

梅と同様に牛にも菅原道真公との深い関係が。

菅原道真公は亡くなる際に「自分の遺骸は、人に引かせない牛に乗せて、牛が止まったところにとどめよ」と遺言したといい伝えられています。

実際に、牛が止まった場所が、菅原道真公の墓所になったそうです。

『撫で牛』

金属製の『撫で牛』

こうしたことがあり、湯島天満宮には石造りと金属製の牛の像が置かれ、『撫で牛』として長く愛される存在になりました。

菅原道真公と牛の関わりは、境内のほかの箇所でも数多く見られます。

牛

境内に続く男坂と女坂

湯島天満宮の表にある鳥居は銅製で、東京都の指定文化財。

鳥居

独特の風合いがあるので、じっくりと鑑賞してみましょう。

鳥居の足元には獅子の彫刻があるので見逃さないように。

獅子の彫刻

湯島駅から湯島天満宮を訪ねる時、目の前に現れるのは石段の坂です。

『男坂』と呼ばれ、38段の急な石段が続きます。

男坂

『男坂』

『男坂』の横には『女坂』と呼ばれる坂道が。『女坂』は『男坂』と違って勾配がゆるやかなのが特徴です。

『男坂』の石段がきつそうだと思った人は、『女坂』を選んで進みましょう。

『女坂』

『女坂』

湯島天満宮は、さまざま文学作品や演劇作品の舞台となった場所です。

境内には、それらにまつわる石碑なども多数点在しているので、散策の際には注目してみてください。

泉鏡花の「筆塚」

泉鏡花の筆塚

鉛筆にランドセル 独特のお守りも

受験生たちが多く集まる神社とあって、湯島天満宮には勉学に関する授与品がいくつもあります。

お守りや絵馬だけでなく、鉛筆セットのような実際に使えるアイテムも人気です。

授与品いろいろ

(左)『学業成就鉛筆(10本組)』 1,000円 (右上段)『学業ランドセル守』 1,000円 (右下段)『学業守』 1,500円

ランドセルのお守りは、見た目がかわいらしいお守り。

ほかにも、頭に巻くはちまきなど日本的なものがあります。

勉学に励みたい本人だけでなく、家族や友人のために選んでみるのもいいですね。

また、社務所では御朱印をいただくこともできます。参拝の記念として受け取るのもおすすめです。

御朱印

御朱印 500円

悲運の天才・菅原道真公とは?

湯島天満宮は湯島天神とも呼ばれます。

『天神』とは菅原道真公を神格化した呼び名のこと。『天満宮』とは菅原道真公を祭神とする神社のことです。

学問の神様である菅原道真公を祀る神社は、日本全国に1万2,000社あるといわれます。

天満宮の文字

『天満宮』の文字

菅原道真公は845年に生まれた人物です。

学問に優れていた菅原道真公は、天皇の信任も得て、どんどん出世していきます。

しかし、ライバルからの中傷によって、九州の太宰府に左遷されてしまいました。

それから2年後の903年、菅原道真公は59歳で亡くなります。

境内

菅原道真公が亡くなった後、京都では地震、落雷、洪水などの天変地異が次々と起こりました。

当時の人々の間で「雨や雷は菅原道真公の怨霊の仕業ではないか」という噂が広まったそうです。

すると次第に農民たちによって、菅原道真公を雨をもたらす雷神、つまり天の神『天神』として崇敬され始めます。

やがて、菅原道真公の偉業から、学問などの神として広く崇められるようになったのです。

鳥居

昔も今も、人々の信仰を集めているのは、やはり庶民が崇敬する『天神』である菅原道真公が祀られているために違いありません。

参拝する際には、湯島天満宮に祀られている菅原道真公のことについても、ぜひ知ってもらえればと思います。

寺社情報

名前 湯島天満宮
ゆしまてんまんぐう
Yushima Tenmangu
住所 東京都文京区湯島3-30-1
アクセス 湯島駅3番出口から徒歩3分
  • 東京メトロ千代田線(C13)

上野広小路駅A4口から徒歩7分
  • 東京メトロ銀座線(G15)
電話番号 03-3836-0753
参拝可能時間 6:00~19:30
授与品 9:00~19:00
御朱印 9:00~17:30
おみくじ 9:00~19:00
拝観料 無料
ウェブサイト https://www.yushimatenjin.or.jp/pc/index.htm
その他
  • 日本語対応のおみくじのみあり。日本語・英語対応の看板あり
  • バリアフリー化エリアなし
  • トイレあり
  • スーツケースの持ち込み不可
  • 一部撮影禁止エリアあり
  • 土足禁止エリアあり

※記事中の情報は2024年10月時点のものです。