茨城の牛久大仏の見どころを写真とともに紹介 圧巻のスケールは一見の価値有り!

茨城県牛久市にそびえ立つ牛久大仏は、圧倒的なスケールと存在感を誇る、阿弥陀如来像。

世界最大の青銅製仏像として、1995年にギネス世界記録にも登録された巨大な仏像は、日本のみならず、タイや台湾などアジア圏を中心に多くの観光客が訪れ、信仰を集めています。

茨城県牛久市にある牛久大仏

牛久大仏が鎮座する園内には、四季折々の自然が広がり、大仏様を参拝した後も見どころが目白押し。

こちらの記事では、牛久大仏の歴史や見どころ、おすすめの訪問時期について詳しくご紹介します。

牛久大仏とは?:ギネス世界記録に認定済みの日本一の仏像

正式名称を牛久阿弥陀大仏とする牛久大仏は、浄土真宗東本願寺派本山東本願寺によって建立されました。建立地である茨城県は、宗祖の親鸞聖人にゆかりのある地と伝えられています。

かつて茨城県を拠点とし、親鸞聖人が布教活動を行ったとされる記録が残っており、特に笠間市の西念寺は、浄土真宗発祥の地として有名です。

親鸞聖人がかつて生きた茨城県に、牛久大仏の建立が開始されたのは1986年のこと。創建されたのは1993年で、4年という長い歳月をかけて完成しています。

台座を含めると高さ120mを誇る牛久大仏は、青銅製仏像としては世界一(2025年5月時点)。阿弥陀様が放つ、万物を照らす12の光にちなみ、かつ阿弥陀様の慈悲の大きさを表現するために、120mという高さになったのだといいます。

1995年にギネス世界記録に認定された際の証明書

牛久大仏と、実在する建造物とを比べると、台座を除き約40mあるアメリカの自由の女神像の約3倍。奈良の東大寺に鎮座する大仏は約15mですので約8倍です。

牛久大仏の左手の掌の大きさだけでも約18mもあり、奈良の東大寺の大仏が収まるほどのサイズ感だといいます。

自由の女神像と奈良の大仏との比較表

写真でめぐる牛久大仏の見どころ

浄土真宗東本願寺派本山東本願寺の寺院である牛久大仏の内部は『胎内』と呼ばれ、仏教の世界が再現されています。

光の世界:ひと筋の光が照らす神聖な空間

『光の世界』と呼ばれる1階は、煩悩を表す暗闇の世界。暗闇の世界を経て、扉が開かれると、慈悲を表すひとすじの光が『光の世界』を照らします。

『光の世界』

『光の世界』の先に進むと、牛久大仏が創建されるまでの歴史を振り返ることができ、さらに実物大の右足親指先端の模型展示も。

親指の模型の横に並び、参拝者が写真を撮ることもできます。

牛久大仏の実物大の右足親指先端の模型展示

霊鷲山(りょうじゅせん)の間:地上85mから臨む関東平野

その後、エレベーターで地上85mの高さに上がり、牛久大仏の胸元近くに設けられた『胸部展望窓』がある『霊鷲山の間』へ。

お釈迦様が説法を行った地として知られるインドの霊鷲山の名が付いたエリアには、仏舎利(ぶっしゃり)が安置されています。

また、東西南北に窓があり、眼下を見下ろれば、改めて牛久大仏の高さを実感できることでしょう。

西側の窓からは条件があえば、東京スカイツリーや富士山が見える日もあるそうで、『胎内』の中でも特に人気のエリアです。

地上85mに位置する『胸部展望窓』

蓮華蔵世界:息をのむほど壮観な空間

エレベーターで3階まで下り、次に向かうのは『蓮華蔵世界』です。

3,000体を超える仏様に囲まれた金色の世界は、壮観でありながら幻想的な空間。

『蓮華蔵世界』

奉安された仏様に、法名(戒名)などを納めていただき、永代にわたり供養していきます。

日々、僧侶によりお経が読まれ、家族や先祖への感謝の念を新たにする場所として、静かな祈りの時間を過ごせる場でもあるのです。

『蓮華蔵世界』では日々お経が唱えられている

知恩報徳の世界:写経体験で心を静める

約77席の写経席が用意されている2階の『知恩報徳の世界』では、写経体験ができます。

『知恩報徳の世界』の写経席

所要時間が20分以上の『回向文(えこうもん)』は1回500円で、所要時間が1時間以上の『三誓偈(さんせいげ)』は1回1,000円で体験できます。

お手本を透かして上からなぞる形式で、初心者でも気軽に取り組める写経体験が用意されています。

写経セットは無料で貸し出される

(左上・右上)『三誓偈』、(下)『回向文』

『胎内』で阿弥陀様に願いや感謝を届ける

写経体験をのぞき、1時間ほどかけて巡れる牛久大仏の『胎内』。『願生文』と呼ばれる、阿弥陀様に願いや感謝をつづった手紙を奉納することもできます。

牛久大仏が描かれた『願生文』

牛久大仏が描かれた『願生文』は、ミニサイズが500円、ラージサイズが1,000円。

さまざまな言語で書かれた『願生文』が奉納されており、改めて牛久大仏の人気の高さを実感します。

牛久大仏を訪れるのに最適な時期

牛久大仏だけでなく、浄土庭園内はいつ訪れても楽しめる、見どころが目白押しです。

牛久大仏の背面側では『お猿のステージ』が開かれ、平日は11時、13時、14時30分からの全3公演。

土日・祝日の公園は、時期によって異なり、11時、12時30分、14時に加え、10~2月は15時20分、3~9月は15時30分の全4公演が開催されます。なお、12月と1月3週目~2月にかけては土日・祝日のみの公演です。

無料で観覧できる『お猿のステージ』

かわいらしい2匹のサルによるステージは、約20分間の公演時間もあっという間に感じられるほどの楽しさ。

隣接する『ふれあい動物園』は日曜日と祝日のみの開催で、12月と2月は閉園となります。ここでは実際にエサをあげることもでき、子供から大人まで楽しめるスポット。

ほかに、牛久大仏の浄土庭園は四季折々の花々も美しく、フォトスポットとしても有名です。

2025年5月の庭園

季節によって咲き誇る花もさまざま。時期ごとのおすすめポイントをご紹介します。

  • 春:1年を通して、多くの花々が咲き誇る時期です。4月上旬にはサクラとシバザクラが、中旬からはポピーやゴテチヤが満開を迎えます。
  • 夏:6月には、アジサイの時期を迎えます。7月中旬から8月下旬には、ブルーサルビアとケイトウが満開の時期になり、こちらもまた美しく庭園を彩ります。
  • 秋:秋はコスモスが満開になり、10月いっぱいが見頃です。目も冴えるような色鮮やかなコスモスに包まれた庭園は、まさに極楽浄土のような美しさです。
  • 冬:澄んだ青空が広がり、牛久大仏がより一層神々しく見える時期です。花々こそ咲いていないものの、雪が降れば風流な景色が楽しめます。

2025年5月の庭園

牛久大仏へのアクセス:電車 vs タクシー vs 車

牛久大仏を訪れるバスツアーのプランを利用する方法もありますが、個人で参拝するのであれば、電車、車、タクシーのいずれかを利用します。

それぞれの交通手段のメリットとデメリットを考慮し、最適な方法を選びましょう。

電車:バスと併用することで、安価にスムーズなアクセスが可能

JR常磐線の牛久駅で下車後、駅の東口へ。2番の乗り場から、関東鉄道バスの牛久浄苑・牛久大仏行きのバスに乗車します。

バスは後払いのチケット制、もしくはICカードの利用が可能で、平日は730円(税込み)です。

土日・祝日の場合は、あみプレミアムアウトレット行きに乗りましょう。こちらのバスは、片道560円(税込み)です。

新宿、渋谷、上野など都心の主要な駅から牛久駅までは電車で1時間30分~2時間程度。牛久駅から牛久大仏までのバスでの所要時間は約25~35分です。

  • メリット:他の交通方法に比べて最も安価
  • デメリット:平日の場合、バスは1日に3便程度しか運行していないため、観光時間が限られる。土日・祝日の場合は1日8便。

タクシー:複数人で訪れる場合に最適

JR常磐線牛久駅もしくは、ひたち野うしく駅で下車後、駅の東口にあるタクシー乗り場に向かいます。どちらの駅からもタクシーで約15~20分程度で牛久大仏に到着します。

乗車料金の目安は4,000~4,700円(税込み)程度です。

複数人で訪れる場合、乗車料金を分割すれば比較的安価で済み、バスよりも時間の融通がききやすいです。

ただし駅周辺にはタクシーの台数が少ないため、事前にタクシーの配車サービスを利用し、手配をしておくといいでしょう。

  • メリット:時間を気にせず、牛久大仏にアクセス可能。4人以上であればバスとあまり変わらない利用料金
  • デメリット:1人では割高

車:周辺の観光スポットも巡れる

東京から高速道路を利用して車で向かう場合は、首都圏中央連絡自動車道の阿見東インターチェンジで降りましょう。約3分程度で牛久大仏に到着します。

牛久大仏では、乗用車を約800台駐車できる大型の駐車場を用意しており、利用料金は無料です。

周辺には、大型商業施設の『あみプレミアム・アウトレット』や、レジャー施設の『こもれび森のイバライド』もあり、車でならば牛久大仏と合わせて訪れるのもいいでしょう。

  • メリット:牛久大仏以外の茨城県の観光スポットにアクセスしやすい
  • デメリット:運転免許を所有している必要がある

牛久大仏の施設情報

施設名 牛久大仏
うしくだいぶつ
Ushiku Daibutsu
住所 茨城県牛久市久野町2083
アクセス ■電車・バス
JR常磐線牛久駅東口⇒関東鉄道バス2番乗り場から約25~35分
(平日)牛久浄苑・牛久大仏行き
(休日)あみプレミアムアウトレット行き


■電車・タクシー
JR常磐線牛久駅東口/ひたち野うしく駅東口から約15~20分

■自動車
首都圏中央連絡自動車・阿見東インターチェンジから約3分
電話番号 029-889-2935
参拝可能時間 3~9月/月~金曜日9:30~17:00、土日・祝日9:30~17:30
10~2月/9:30~16:30
※最終入園時間は、庭園券のみの場合は閉演時間の30分前。牛久大仏胎内含む、浄土庭園すべてのセット券の場合は45分前
授与品 なし
御朱印 3~9月/月~金曜日9:30~16:30、土日・祝日9:30~17:00
10~2月/9:30~16:00
※庭園券、セット券がある人のみ授与可能
おみくじ なし
拝観料 ■庭園券
大人/500円
※15名以上の団体利用、障がい者手帳をお持ちの方(障がい者手帳を要提示)、400円
子供/300円
※15名以上の団体利用、障がい者手帳をお持ちの方(障がい者手帳を要提示)、200円


■セット券(牛久大仏胎内拝観+庭園)
大人/800円
※15名以上の団体利用、700円。障がい者手帳をお持ちの方(障がい者手帳を要提示)、600円
子供/400円
※15名以上の団体利用、350円。障がい者手帳をお持ちの方(障がい者手帳を要提示)、300円
ウェブサイト https://daibutu.net/index.html
その他
  • バリアフリー化エリアあり
  • トイレあり
  • スーツケースの持ち込み不可
  • 一部撮影禁止エリアあり
  • 土足禁止エリアあり

※記事中の情報は2025年5月時点のものです。