日本の夏を代表するスイーツ、かき氷は、今や伝統的な氷菓の枠を超え、進化を続けるスイーツとして世界中の注目を集めています。
中でも東京は、かき氷のトレンド発信地として知られ、1年を通じて楽しめる専門店も数多く点在しています。
ふわふわの氷に、果実感たっぷりのソースや手作りシロップ、さらには個性的なトッピングを組み合わせた独自のアレンジまで、各店が個性を競い合う様子はまさに、『かき氷のメジャーリーグ』。
伝統と創造が融合した東京のかき氷は、スイーツという枠にとどまらず、観光の目的にもなる見逃せない食体験なのです。
東京には、見た目も味もこだわり抜いたかき氷専門店が数多くあり、暑い夏ともなれば入店を待つ長蛇の列ができるのが当たり前。
ふわふわの氷に、果実感あふれるソースや創作的なトッピングを組み合わせたかき氷は、まさに食べる芸術といえます。
ここでは、東京都内にある観光の目的になるほど魅力的なかき氷店を厳選してご紹介!伝統と革新が融合した、東京ならではのかき氷をぜひ体験してみてください。
ひみつ堂(日暮里)
日暮里駅から歩いてすぐ、下町情緒あふれる谷中銀座に店を構える『ひみつ堂』は、東京都内にあるかき氷専門店でも屈指の人気を誇る名店です。

『ひみつ堂』の『ZANMAI(三昧)』スタイルのかき氷
自慢は、全国から厳選した旬のフルーツを使った自家製シロップ『完全果実蜜』と、現代では珍しい手回しのかき氷機で削った日光の天然氷。
削った氷はふわりと雪のような食感、『完全果実蜜』は濃厚な風味で、ひと口食べれば、魅了されること間違いなしです。

『ひみつ堂』のかき氷の調理風景
また『ひみつ堂』のかき氷の提供スタイルは5つあり、中でも人気なのが『ZANMAI(三昧)』。
氷の上にたっぷりと盛られたフレッシュな果肉と、氷の中に忍ばせた練乳入り生クリームが絶妙なハーモニーを奏でます。
八屋(原宿)
日本茶の魅力を現代的な切り口で表現するカフェ『八屋』では、夏季限定で提供されるオリジナルのかき氷が毎年話題になります。

『八屋』の2025年8月限定『烏龍茶と杏仁パインのかき氷』
店舗のスタッフ自らが考案するメニューは、香り豊かなお茶の要素を巧みに取り入れた、ここでしか味わえない独創的なものばかり。
2025年8月に登場するかき氷は『烏龍茶と杏仁パインのかき氷』で、パイナップルと烏龍茶、2種類の自家製シロップが織りなすさわやかな甘みと香ばしさに、濃厚な杏仁豆腐のトッピングが絶妙にマッチしています。
さらにトッピングもぬかりなく、求肥(ぎゅうひ)やピーナッツ風味のかりんとう、アロエの多彩な食感も楽しい、五感で楽しむかき氷です。

『烏龍茶と杏仁パインのかき氷』のトッピング
毎月、代わるがわる登場するかき氷はSNSで話題を呼び、原宿駅から徒歩10分という立地も相まって、日本国内外から人が訪れます。
麻布野菜菓子(麻布十番)
麻布十番にある『麻布野菜菓子』は、『野菜で作ったちょっとだけ贅沢なお菓子』をコンセプトに掲げるスイーツブランド。
独自の世界観を生かし、春から秋にかけて提供されるかき氷も、すべてが野菜フレーバーというユニークなスタイルです。

『麻布野菜菓子』の『赤いミニトマトのかき氷』
ミニトマトやアボカド、ホウレンソウにセロリといった野菜を使ったシロップは、素材の風味をしっかり残しながらも、驚くほどスイーツとしての完成度が高く、野菜が苦手な人でも楽しめるやさしい甘さ。
『麻布野菜菓子』でしか出会えない、新感覚のかき氷体験が待っています。
堀内果実園(押上)
奈良の老舗果樹園が手がける『堀内果実園』の直営カフェが押上にあります。
さまざまあるフルーツのスイーツの中でも、夏場は季節限定で提供される特製かき氷が人気です。

『堀内果実園』の『丸ごとスイカ』
フルーツをほぼ丸ごと使用したボリュームたっぷりのかき氷は、フルーツのおいしさを存分に味わえます。
削った氷の上には果肉が贅沢にトッピングされ、果実から丁寧に作られた自家製シロップも果肉感たっぷりで濃厚な味わい。
もはや「フルーツが主役」ともいえる、贅沢なかき氷は、フルーツ好きにはたまらない夏のご褒美スイーツです。

『堀内果実園』の『丸ごとスイカ』
雷一茶(浅草)
浅草に4店舗を構える『雷一茶』は、上質な抹茶スイーツを提供する専門店。
特に6〜9月限定で登場する『お濃抹茶の生シロップ』は、抹茶好き必見の逸品です。

『雷一茶』の『お濃抹茶の生シロップ』
使用する抹茶は、一番茶と呼ばれる初摘みの新芽から作られた上質なもの。
熱を加えずに仕上げた自家製の抹茶シロップは、抹茶本来の繊細な風味と豊かな香りが口の中でふんわりと広がります。

『雷一茶』の『お濃抹茶の生シロップ』
あえてトッピングをせずに、抹茶のほどよい苦みとやさしい甘さをじっくり味わう、シンプルながら奥深いかき氷です。
彩夏(浅草)
浅草にある『彩夏』は、和の風情を感じさせる上質なかき氷が評判の人気店。中でも『抹茶小豆』は、純和風の味わいを堪能したい人にこそ食べてほしいかき氷です。

『彩夏』の『抹茶小豆』
自家製の抹茶シロップは、白蜜に宇治抹茶を丁寧に溶かし込んで仕上げており、氷が溶けても味が薄まらないこっくりとした甘みがあります。
さらに、3種の異なる小豆をブレンドして炊き上げた特製つぶあんがたっぷりとトッピングされ、皮の香ばしさと上品な甘み、そして深みのあるコクをプラス。
小豆の濃厚な甘みを、抹茶のシロップが中和し、食べ進める手が止まらなくなります。
上野かき氷専門店四代目大野屋氷室本店(上野)
並んでても食べたい、至極の味わいと食感が待っているのが、上野にある『上野かき氷専門店四代目大野屋氷室本店』。
店で提供するかき氷は、すべて『生氷(なまごおり)』と名付けられた特別な氷を使用しています。

『上野かき氷専門店四代目大野屋氷室本店』のかき氷に使う生氷
「マグロに赤身や大トロがあるように、氷にも部位がある」という考えのもと、厳選された氷は、まさに『氷のシャトーブリアン』。
徹底した温度管理のもと削り出される氷は、最初のひと口から最後まで軽やかにほどけるような繊細な口どけを実現しています。

『上野かき氷専門店四代目大野屋氷室本店』の『大野屋のいちごみるく』
その極上の氷を引き立てるため、シロップ作りにも徹底的にこだわり、素材の甘みや酸味に応じて加水や煮詰め時間、砂糖の種類まで緻密に調整。すべてが計算された、究極のかき氷なのです。
HIIRAGI GINZA(銀座)
『HIIRAGI GINZA』で楽しめる『濃厚抹茶の抹茶尽くしセット』は、抹茶好きにはたまらない贅沢なひと時を提供してくれます。
福岡県八女や京都府の宇治など、お茶の名産地から厳選した上質な抹茶を使用し、メニューごとに異なる茶葉の香りや味わいの違いを楽しめるのが『濃厚抹茶の抹茶尽くしセット』の魅力です。

『HIIRAGI GINZA』の『濃厚抹茶の抹茶尽くしセット』のかき氷
中でも目を引くのが、シルクのようにふわふわと削られた氷に、鮮やかな抹茶シロップを幾層にも重ねて仕上げるかき氷。
そこに北海道産大納言小豆の上品なあんこと、鹿児島県産黒糖クリームを合わせることで、濃厚でありながら、すっきりとした後味を生み出します。
イチゴが旬を迎える4~5月頃には、『あまりんの濃厚かき氷』『苺マカロン』とドリンクがセットになった『あまりん苺セット』も。
品評会で3年連続日本一に輝いた、最高級品種の『あまりん』を使ったかき氷は、甘酸っぱい果肉と濃厚なイチゴソースが重なり合い、贅沢な甘みがしっかりと感じられます。

『HIIRAGI GINZA』の『あまりんの濃厚かき氷』
KAKIGORI CAFE&BAR yelo(六本木)
六本木の『KAKIGORI CAFE&BAR yelo』では、「かき氷は真夏だけのものではない」という考えのもと、1年を通して独創的なかき氷を提供しています。

『KAKIGORI CAFE&BAR yelo』の『ティラミス』
人気の定番メニューである『ティラミス』は、ほろ苦いココアパウダーがかかったふわふわの氷に、たっぷりのマスカルポーネソースを合わせた1杯。
まるで本物のティラミスケーキを食べているかのような、濃厚で満足感のある味わいが魅力です。
さらに、氷を盛る途中でミルクソースとシロップをそれぞれ3回ずつ重ねてかけることで、最後のひと口までしっかり味が楽しめる工夫も。季節を問わず楽しめる、進化系のかき氷です。
東京には、見た目も味わいも個性豊かなかき氷店がそろっており、伝統的な和の味から創作性あふれる1杯まで、そのどれもが旅の合間に立ち寄りたくなる店ばかり。
『ひみつ堂』や『上野かき氷専門店四代目大野屋氷室本店』、『KAKIGORI CAFE&BAR yelo』は1年を通じてかき氷を提供しているため、冬でも味わえます。
季節を問わず人々を魅了する、日本ならではの氷菓を、ぜひご賞味あれ!
※メニューの内容や料金、店舗情報などは2025年8月時点のものです。