暑さがピークを迎える7~8月。涼を求めるのなら、ぜひ訪れてほしい店があります。
香り豊かな日本茶の専門店である『八屋』です。
抹茶やほうじ茶、煎茶といった上質な日本茶とともに楽しめるのは、見た目も涼やかな和のスイーツたち。
あんみつやパフェ、夏季限定のかき氷など、こだわりの詰まった逸品が、夏の暑さを忘れさせてくれます。

『八屋』のスイーツ各種
お茶の可能性を広げる『八屋』の人気かき氷
夏の訪れとともに『八屋』で人気を集めるのが、お茶の要素を巧みに取り入れた、季節限定のかき氷です。
毎年、6~9月にかけて提供されるかき氷のシリーズは、毎年楽しみにしているファンも多く、2025年はその期待に応え、例年よりひと足早い5月から提供をスタートしました。

『八屋』のかき氷の制作風景
お茶とユニークな素材とを組み合わせる『八屋』のかき氷は、オリジナリティにあふれた斬新なものばかり。
2025年8月に登場するのは、『烏龍茶と杏仁パインのかき氷』で、テーマは『お茶と果実で夏涼み』です。

『八屋』の2025年8月限定のかき氷
削った氷に、さわやかな後味のパイナップルシロップと、烏龍茶の香ばしさを生かした烏龍茶シロップをたっぷりとかけ、仕上げには濃厚な特製杏仁豆腐をトッピング。
2種類のシロップも杏仁豆腐も、すべて自家製です。手作業にこだわる『八屋』の姿勢が、細部にまで息付いています。

スプーンですくい、最初のひと口を口に運べば、鼻を抜けるのは自家製のパイナップルシロップの甘酸っぱく芳醇な香り。そこに、特製の杏仁豆腐がまろやかな甘さを加えます。
さらに食べ進めていくと、次に登場するのは自家製の烏龍茶シロップがかかった氷の層です。
烏龍茶特有の芳ばしさをしっかり感じつつも、すっきりとした甘さで、食べ進めるほどにクセになる味わいを生み出します。

烏龍茶シロップがかかる層にはピーナッツかりんとうがトッピングされている
『八屋』のかき氷は、トッピングもぬかりありません。
もちもちの求肥(ぎゅうひ)に、ピーナッツ味のかりんとうと、さらにはアロエと食感の妙を楽しめる工夫が満載。
削った氷の中に忍ばせたそれぞれのトッピングが高揚感を刺激してきます。

トッピングのピーナッツかりんとうと求肥とアロエ
そんな遊び心とセンスが光る『八屋』のかき氷がどのように誕生するのか、店のスタッフに尋ねると、返ってきたのは驚きの答え。
監修者としてパティシエや、専門の開発担当者を用意する店が多い中、『八屋』では店頭に立つスタッフたちが毎月の1杯を考案しているのです。
「まずは季節に合う素材を決めて、テーマに合う食材を選び、その上でシロップの風味や構成を詰めていくんです」
スタッフの答えからは、季節の食材に真剣に向き合う、実直なものづくりの姿勢を感じさせます。
伝統的でありながら革新的な『八屋』のあんみつとは?
『烏龍茶と杏仁パインのかき氷』で、『八屋』の世界観に心を奪われた後は、夏のもう1つの人気メニューである『季節の果物クリームあんみつ』をぜひご賞味あれ。

『季節の果物クリームあんみつ』 1,150円(税込み)
『八屋』でいただけるあんみつは、寒天をトッピングに使用した一般的なものと、少し異なります。
その理由は、水わらびの存在。
もちもち、ぷるぷるとした唯一無二の食感は、口に入れた瞬間、やさしくとろけながらもしっかりと存在感を残します。
そこに、自家製の黒蜜をとろり。深みのある甘さが、涼やかな果物の酸味と見事に調和します。

水わらびと季節のフルーツ
使用するフルーツはすべて季節のもの。2025年7月の取材時は、オレンジ、パイナップル、キウイといった彩りも香りもさわやかな果実たちが主役でした。
オーダーが入ってから一つひとつ丁寧にカットされるという手間のかけ方にも『八屋』らしさが光ります。
ひと手間を惜しまない姿勢は、かき氷にも共通して見られた『八屋』のこだわりです。

テイクアウトでも楽しめる抹茶尽くしのパフェ
最後はやはり抹茶の世界に浸って締めくくりたいところ。その期待に応えてくれるのが、『八屋』が誇る『お濃茶カップパフェ』です。

『お濃茶カップパフェ』 1,150円(税込み)
名前の通り、主役は抹茶。福岡県八女市産の上質な抹茶を贅沢に使用し、うまみとともに、さわやかな苦みがきちんと感じられるように仕上げられています。
甘さは控えめで、抹茶ならではの余韻をじっくり味わえるのも、『お濃茶カップパフェ』の魅力です。

『お濃茶カップパフェ』には抹茶のカステラや白玉などがトッピングされている
最下層に忍ばせているのは、自家製の『お濃茶ぷりん』。しっかりとした重ためのテクスチャーでありながら、のどごしがよく、舌の上に濃厚な抹茶のコクがしっかりと広がります。
あえてやわらかく仕立てすぎないのは、『お濃茶』という名のとおり、食感からも味の濃厚さを感じてほしいという想いからです。

自家製の『お濃茶ぷりん』
層の途中には玄米フレークをさりげなく潜ませ、カリカリとした食感と香ばしさをアクセントにプラス。
ふんわりと香る抹茶のカステラも組み合わせれば、風味の異なる抹茶が重なり、奥行きのある味わいを演出します。

『抹茶カステラ』 880円(税込み)
このカステラは、店内で購入することもできるので、お土産にもぴったりです。
抹茶好きにはたまらない、濃厚で贅沢なカップスイーツは、見た目はコンパクトでも、味の広がりと満足感はしっかりと。
『八屋』の、日本茶スイーツの代表格とも言える1品です。
SNSでの注目度も高まる『八屋』
日本茶を軸にしながらも、ジャンルの枠にとらわれない柔軟な発想で、スイーツやメニューを展開している『八屋』。
SNSで話題となり、訪日外国人観光客が足を運ぶ姿も珍しくありません。

『八屋』の内観
もちろん、スイーツだけでなく、ドリンクのみの注文も可能です。『八屋』で使われるのは、産地に縛られず、味わいを基準に全国から選び抜かれた日本茶の数々。
玄米茶、ほうじ茶、煎茶と、それぞれの魅力を最大限に引き出した、香り高く上質な1杯に出会えます。
『八屋』には、日本茶の専門知識に精通した『日本茶インストラクター』が在籍しており、確かな味と茶葉の目利きは折り紙付き。
1年を通して、店で提供する日本茶の味わいに変化をもたせることを基準に、季節や気分に寄り添うようなセレクトを心掛けているといいます。
だからこそ、『八屋』では訪れるたびに、日本茶との出会いが待っているのです。

『八屋』の外観
さらに最近では、『和紅茶』と呼ばれる国産の紅茶の取り扱いも視野に入れているとのこと。
日本茶専門店という看板を掲げながらも、お茶という文化そのものの可能性を広げていく姿勢に、これからの展開にも期待が高まります。
店舗情報
店名 | 日本茶カフェ 八屋 はちや Hachiya |
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住所 | 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-2-10 GS FAITH BLDG 1階
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アクセス |
北参道駅2番出口から徒歩4分
原宿駅竹下口から徒歩10分
千駄ヶ谷駅改札口から徒歩11分
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電話番号 | 03-6434-9438 |
予約 | 可 ※電話から予約可能 |
支払い方法 |
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営業時間 | 9:00~18:00(LO) ※かき氷の提供のみLO17:00 |
定休日 | 土日・祝日 |
席数 | 13席 ※カウンター2席、テーブル11席 |
喫煙・禁煙 | 全席禁煙 |
ウェブサイト | https://www.8ya.jp/ |
その他 |
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※メニューの内容や料金、店舗情報などは2025年8月時点のものです。