池袋からも寄り道が可能 安産・子育ての神を祀る雑司ヶ谷鬼子母神堂

鬼子母神

住宅街の中にぽっかりと現れる、時間が止まったかのような風景。

大木が繁る境内の奥には、どっしりとしたお堂が姿を見せています。

雑司ヶ谷鬼子母神の境内

ここは安産や子育ての神様を祀る、雑司ヶ谷鬼子母神堂(ぞうしがやきしもじんどう)です。

有名なアニメ作品などに描かれていることもあり、この景色に見覚えがある人もいるかもしれません。

巨大な木

祀られている神の名は、鬼子母神。

相反するイメージのある『鬼』と『母』という2つの文字が、一緒に記されています。

いったい、どのような神様なのでしょうか。

鬼子母神の字

鬼子母神の鬼は、1画目の点のない鬼

参拝時に立ち寄りたい表参道のケヤキ並木

江戸時代から多くの人々がお参りに訪れている雑司ヶ谷鬼子母神堂。境内手前にある表参道も印象的な風景です。

通りの両側に立ち並ぶのは、背の高いケヤキの木。

立派な並木が続いていますが、昔はもっと大きな木が並んでいたと伝えられます。

参道

江戸時代には、多くの茶店や料亭などが並ぶ通りでしたが、現在は通りの両側に建っているほとんどが民家。

静かで落ち着きのある空気感は、自然と心をリラックスさせるでしょう。

鬼子母神とはどのような神様?

表参道を突き当たると、左には緑豊かな境内と鬼子母神堂が見えます。

境内に入ると、石畳の参道の左右には仁王像が。力強い姿でお堂を守っています。

阿形

向かって右側に立つ仁王像が阿形(あぎょう)

吽形

向かって左に立つ仁王像が吽形(うんぎょう)

境内にはいろいろと興味深いものがありますが、まずは鬼子母神堂にお参りを。

感謝の印であるお賽銭を賽銭箱に入れ、静かに両手を合わせ合掌します。

雑司ヶ谷鬼子母神堂

鬼子母神堂

お堂の端では、お守りや御朱印をいただけます。

また、注目の品はススキの穂で作られたミミズク。雑司ヶ谷鬼子母神堂の参詣土産として知られています。

雑司ヶ谷鬼子母神

雑司ヶ谷鬼子母神堂に祀られている鬼子母神は、もともと近隣の子供を捕まえて食べてしまう残虐な性格の鬼。人々から恐れられ、憎まれていました。

しかし、お釈迦様に諭されて改心し、今までの過ちを悟ります。

それからというもの、鬼子母神は安産と子育ての神様となることを誓い、人々にも尊敬されるようになったといわれます。

そんな鬼子母神の像が立っているのが、お堂の向かって右側です。

鬼子母神像

鬼子母神像

穏やかな表情で手を合わせているその姿は、かつて恐ろしい鬼だったとは思えません。改心をして、人々から慕われるようになったことが、この像から伝わってきますね。

なお、鬼子母神は守護神として日蓮宗や法華宗の寺院で祀られることが多いです。

雑司ヶ谷鬼子母神は、東京都台東区の鬼子母神、千葉県市川市の鬼子母神とともに、『江戸三大鬼子母神』と呼ばれています。ほかの鬼子母神を巡ってみるのもおすすめです。

境内に広がる大イチョウと出世稲荷

鬼子母神をお参りした後は、境内をゆっくりと散策しましょう。

境内を入って左にそびえている大木は『鬼子母神の大公孫樹(きしぼじんのおおいちょう)』として知られています。

イチョウの木

樹齢はおよそ700年。幹の周囲は8m、高さは30m以上とされています。

緑の葉をたっぷりと枝につけた巨木は、まだまだ伸びていきそうな生命力に満ちあふれています。

見上げているだけで、大きなパワーを貰えるような存在感です。

イチョウの木

イチョウの木のまわりに続く赤い鳥居は、武芳稲荷堂(たけよしいなりどう)への参詣の道。

鳥居

お堂よりも昔に建立されていて、古来より「出世稲荷」と呼ばれていました。

商売繁盛、開運や厄除けなどにご利益があるとされ、たくさんの人々から信仰を集めています。

武芳稲荷堂

武芳稲荷堂

『おせんだんご』や駄菓子も参拝の楽しみ

境内にある大黒堂では、名物『おせんだんご』が販売されています。子宝にもご利益があるとされる団子で、イートインとテイクアウトのどちらにも対応。

営業日は縁日である8日、18日、28日と土曜日、日曜日のみなので、どうしても食べたい人はスケジュールを合わせて訪れましょう。

大黒堂

大黒堂

また、参道を挟んで大黒堂の反対側にある店では、駄菓子が売られています。

駄菓子は10円程度のものもあり、誰でも気軽に買えるお菓子です。

駄菓子店は小学校の近くにあることも多く、かつては子供たちで賑わっていました。

2024年現在も日本各地に駄菓子店はありますが、その数は昔に比べると、とても少なくなっています。

雑司ヶ谷鬼子母神堂のお参りをした後に、境内にある駄菓子店を覗いてみてはどうでしょうか。

本堂と駄菓子店

きなこ味の小さな餅、梅味のジャム、ヨーグルト風味のお菓子、麩菓子など、売られている内容は昔から変わっていません。

子供の頃に食べていた人だけでなく、初めて駄菓子を味わう人でも、懐かしい気分になれるかもしれません。

駄菓子の写真

境内には、ほかにも見どころがあります。

のんびりと境内を散策し、ゆったりとした雰囲気が漂う雑司ヶ谷鬼子母神堂を満喫してしてみてください。

百度石

『百度石』

寺社情報

名前 雑司ヶ谷鬼子母神堂
ぞうしがやきしもじんどう
Zōshigayakishimojindō
住所 東京都豊島区雑司ヶ谷3-15-20
アクセス 鬼子母神前駅から徒歩4分
  • 東京さくらトラム(SA27)

雑司が谷駅1番出口から徒歩5分
  • 東京メトロ副都心線(F10)

池袋駅東口から徒歩15分
  • JR山手線(JY13)
  • JR埼京線(JA12)
  • JR湘南新宿ライン(JS21)
  • 東京メトロ有楽町線(Y09)
  • 東京メトロ副都心線(F09)
  • 東京メトロ丸ノ内線(M25)
電話番号 03-3982-8347
参拝可能時間 9:00~17:00
授与品 9:00~17:00
御朱印 9:00~17:00
おみくじ 9:00~17:00
拝観料 無料
ウェブサイト https://www.kishimojin.jp/index.html
その他
  • 日本語対応のおみくじのみあり。日本語・英語対応の看板あり
  • バリアフリー化エリアなし
  • トイレなし
  • スーツケースの持ち込み不可
  • 一部撮影禁止エリアあり
  • 土足禁止エリアあり

※記事中の情報は2024年10月時点のものです。