茶の卸問屋として、1854年に京都の宇治に創業した『中村藤𠮷本店』は、日本の茶文化を静かに、しかし確かに支え続けてきました。
『中村藤𠮷本店』の精神と味わいを、東京の銀座で体験できる場所が『中村藤𠮷』の銀座店です。
使用されるのは、京都から届けられる選び抜かれた素材。抹茶やほうじ茶を使ったメニューには、茶匠の技と歴史が宿ります。
100年を超える歳月が育んだ矜持と美意識。そのすべてが、『中村藤𠮷』の銀座店で出会う1杯、そして1皿に息づいています。

異なる3種類の抹茶を使った珠玉のスイーツ
京都、大阪、東京に展開する『中村藤𠮷』。
東京にある2軒のうち、ゆったりと茶の時間を楽しめるのは、『GINZA SIX』にある銀座店だけです。
銀座店では、ここでしか味わえない限定メニューもあり、とりわけ人気を集めているのが『別製まるとパフェ』。
最高品質の宇治抹茶を使用した、プレミアムな1品です。

『別製まるとパフェ』 2,500円(税込み)
『別製まるとパフェ』に使われている『別製』とは、特別にあつらえた上質な茶葉にのみ与えられる呼び名です。
『別製まるとパフェ』に使用される抹茶は、1年をかけて丁寧に育てられ、手摘みされた碾茶(てんちゃ)を原料としたもの。
選び抜かれた茶葉のうまみと香りが、まさに『別製』の名にふさわしい味わいの奥行きを演出します。

『別製まるとパフェ』
パフェには、個性の異なる3種類の抹茶を使用。
仕上げにふりかけられた抹茶パウダーは、苦みと渋みがじんわりと広がる、凛とした味わい。
甘みを引き出した、抹茶生クリームには酸味のあるベリーを忍ばせ、味の重なりにアクセントを添えます。
そして最下層には、コクとうまみのある抹茶のソース。食後の余韻まで考え尽くされた、丁寧な設計です。

ベリーのほか、白玉や抹茶のシフォンケーキなど多様なトッピングを使用している
グラスの中に繊細に重ねられた層は、横から眺めても美しく、目でも楽しめる仕立て。
トッピングの配置から抹茶の配分に至るまで、どこをすくっても新しい味わいと出会えるように構成されています。
ひとさじごとに変化があり、最後のひと口まで飽きさせません。
特製の抹茶餡が風味を引き立てる
銀座店限定メニューから、もう1品。『生茶ゼリイ(深翠)』を紹介します。

『生茶ゼリイ(深翠) ドリンクセット』 2,900円(税込み)
『ゼリイ』は、もっちりとしながらも、すっと歯切れのよい独特の食感が魅力です。
甘さは控えめで、抹茶の風味と香りをじっくりと味わえます。
『特製抹茶餡』は、銀座店のオリジナル。抹茶の風味に深みをもたせ、豊かな味わいが加わります。
さらに、濃厚な抹茶の香りが広がるアイスも一緒に添えられ、組み合わせ次第で味の印象はいかようにも変化。

『生茶ゼリイ(深翠)』の抹茶アイス
銀座店のおすすめの食べ方は、まずは『ゼリイ』だけをそのままいただき、抹茶本来の風味をしっかりと堪能します。
その後は、甘みのある『特製抹茶餡』や抹茶アイスを少しずつ合わせていけば、自分好みの味のバランスを見つけていく楽しみも。
甘さを足すことで、抹茶の風味が徐々に変化していく過程も含めて味わえるのが『生茶ゼリイ(深翠)』の醍醐味です。

『生茶ゼリイ(深翠)』には3種類から選べるドリンクもセットになっている
セットの抹茶を最後に飲んで食事を締めくくれば、静かな余韻が残ります。
抹茶だけでなくほうじ茶の風味も堪能
『京のふきよせ』は、抹茶だけでなく、香ばしいほうじ茶のスイーツも味わいたい人にぴったりのメニューです。
プレートには、抹茶とほうじ茶、それぞれの味わいが楽しめるスポンジケーキ。ふんわりと軽やかな口当たりで、鼻に抜ける芳醇な茶の香りが印象的です。

『京のふきよせ』 1,650円(税込み)
そして、濃厚な抹茶の風味がぎゅっと詰まった抹茶フィナンシェ。
しっかりとした甘みがありながらも、抹茶の渋みと調和し、満足感のある仕上がりになっています。

抹茶フィナンシェは店頭で購入することも可能
添えられた抹茶アイスは、それだけで完成されたおいしさ。
すっきりとした甘みと豊かな香りが、ひと口ごとに抹茶の魅力を再確認させてくれます。
ホイップクリームや銀座店オリジナルの『特製抹茶餡』は、スポンジケーキやフィナンシェと組み合わせて召し上がれ。
ひと口ずつ、好みのバランスを探しながら食べ進める楽しさがあります。

抹茶の濃厚な風味と、香ばしいほうじ茶の余韻、それぞれの魅力がバランスよく詰まった『京のふきよせ』。
例えるならば、京都の穏やかな四季を表現したかのような、多彩な魅力が詰まっています。
100年以上にわたって受け継がれる抹茶の技術
丁寧に作られたスイーツは、見た目も味わいも繊細で、記憶に残るおいしさ。しかし、『中村藤𠮷』の魅力はそれだけではありません。
確かな味を支える、長く受け継がれてきた伝統の気配が感じられるのです。

『中村藤𠮷』の銀座店の内観
抹茶は自然の恵み。その年の気候や生育状況によって、味や香りは微妙に変化します。
だからこそ、いつ訪れても変わらぬ味を提供するには、合組(ごうぐみ)の技が欠かせません。
合組とは、異なる品種や産地の抹茶を見極め、最適なバランスで組み合わせるという、まさに職人技ともいえる作業のこと。
気が遠くなるほどの時間の中で受け継がれてきた合組の技術と味への感性。その蓄積が、東京にいながら京都の茶を味わえるという贅沢を可能にしています。

『中村藤𠮷』の銀座店の外観
店舗情報
店名 | 中村藤𠮷銀座店 なかむらとうきち ぎんざてん Nakamura Tokichi Ginza Store |
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住所 | 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 4階
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アクセス |
銀座駅A3出口から徒歩3分
東銀座駅A1出口から徒歩4分
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電話番号 | 03-6264-5168 |
予約 | 不可 |
支払い方法 |
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営業時間 | 10:30〜20:30(LO19:30) |
定休日 | なし ※GINZA SIXの休館日に準ずる |
席数 | 51席 ※カウンター11席、テーブル40席 |
喫煙・禁煙 | 全席禁煙 |
ウェブサイト | https://tokichi.jp/ |
その他 |
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※メニューの内容や料金、店舗情報などは2025年7月時点のものです。