上野の老舗洋食店で絶品オムライスを堪能【洋食 黒船亭】

黒船亭

19世紀半ば、日本に伝わった西洋料理は、日本風にアレンジされ、洋食という日本独自の料理ジャンルが確立されました。

中でも、オムレツとケチャップライスを組み合わせたオムライスは、人気の洋食の1つです。

東京の上野にある老舗『洋食 黒船亭』では、クラシックな空間で昔から親しまれてきた王道のオムライスが楽しめます。

『洋食 黒船亭』の内観

『洋食 黒船亭』の内観

ルーツは1902年創業の料亭。後に、洋食や輸入酒を提供するレストランを開店し、1986年には『洋食 黒船亭』と店名を変え、現在に至ります。

店で使用する素材は、米の名産地である新潟県魚沼の専用田んぼで作るコシヒカリや、九州の有機野菜など、生産地まで赴いて厳選。

フランス料理の技術をベースに、ソースもすべて手作りした『日本人の食文化に合う洋食』は、名だたる著名人や食通をとりこにし、現在もその味は受け継がれています。

『洋食 黒船亭』ジョン・レノン夫妻の写真

ジョン・レノン夫妻も訪れた名店として語り継がれている

伝統のレシピで作る王道の『オムライス』

伝統の味を守るのは、17歳の頃から30年以上『洋食 黒船亭』で腕を磨いてきた3代目総料理長の石出 正浩氏。

伝統を継承しながら、時代に合わせ手作りの味を柔軟にアップデートしています。

『洋食 黒船亭』3代目総料理長の石出 正浩氏

『洋食 黒船亭』3代目総料理長の石出 正浩氏

一般的なオムライスは、炊いたご飯に鶏肉や野菜を混ぜ、ケチャップで炒めるスタイルが定番です。しかし、『洋食 黒船亭』は、少々異なります。

バターで生の米を炒めるところから始め、その後、鶏のブイヨンとトマトペースト、塩、コショウで味付けし炊き上げるのです。

米の芯まで下味を浸透させたご飯は、ブラックタイガーや鶏肉、生のマッシュルーム、野菜を加え、ケチャップで炒めて仕上げます。

オムライス調理工程

次は、ライスを包む卵の準備です。別のフライパンで、3個分の卵をたっぷりのバターで手早く炒め、ふんわりと仕上げます。

この絶妙な火入れ加減こそ、まさに職人技!

最後にライスを卵で包み、ケチャップをたっぷりかけたら完成です。

オムライスの調理工程

鮮やかな卵の黄色に、深紅のケチャップが映えるフォルムは、シンプルでありながらもどこか洗練された印象を与えます。

現代ではさまざまなタイプのオムライスがありますが、卵でご飯を包み込むスタイルは、まさに王道。

口に入れた瞬間、軽やかでしっとりとした卵の質感とやさしいうまみが広がります。そこへ、上品に味付けされたライスと添えられたケチャップの酸味が加わり、思わず笑顔に。

オムライス

『オムライス』 2,200円(税込み)

ご飯はたっぷり300g。具材もたくさん入っているので、満足度はいうまでもありません。

ほかの料理も楽しみたい人のために、ハーフサイズも1,500円(税込み)で注文できます。

オムライス

濃厚なデミグラスソースで仕立てるリッチな『ハヤシライス』

『オムライス』と並ぶ『洋食 黒船亭』のもう1つの名物が、『ハヤシライス』です。

牛肉や野菜をデミグラスソースで煮込み、ご飯にかけて味わう『ハヤシライス』は、洋食の定番料理。

『洋食 黒船亭』では、牛すじ肉を香ばしく焼き圧力鍋でブイヨンを取り、タマネギのブイヨンを加えトマトペーストを入れじっくり煮込みます。そこに、毎日出る野菜の落としや煮込んだ肉のスープなどのうまみ成分を加えながら煮込み直すという工程を約10日間繰り返し仕上げるのが特徴です。

手間をかけて完成させる濃厚なデミグラスソースこそが、『洋食 黒船亭』の『ハヤシライス』の味を支えています。

『洋食 黒船亭』のデミグラスソース

デミグラスソース

さらに、デミグラスソースにトマトピューレとウスターソースを合わせ、タマネギやマッシュルーム、和牛をたっぷり。

仕上げに生クリームをかけることで、『洋食 黒船亭』自慢の1品である『ハヤシライス』が完成します。

ハヤシライス

『ハヤシライス』 2,700円(税込み)/ハーフサイズ 1,700円(税込み)

ご飯にかけて食べると、濃醇なコクが口の中にじんわり。

和牛のうまみやタマネギの甘み、生クリームのまろやかな風味が一体となった贅沢な味わいに、ご飯をすくう手が止まらなくなること必至です。

ハヤシライス

もちろん、最初にソースをすべてご飯にかけてもマナー違反ではありません。好みの食べ方でおいしくいただきましょう。

付け合わせには3種類の漬物が添えられているので、最後まで飽きずに楽しめます。

ハヤシライス

老舗洋食店が作る『カニコロッケ』の魅力とは

『洋食 黒船亭』には、数多くの名物料理がありますが、その中でもUmami bites編集部のおすすめが『カニコロッケ』です。

コロッケは、フランス料理のクロケットがルーツの洋食料理。一般的にマッシュポテトや挽肉、野菜などを成形し、パン粉をつけて揚げた料理をいいます。

カニを使ったコロッケは、とろけるようなクリームで仕立てるのが定番ですが、『洋食 黒船亭』の『カニコロッケ』は、紅ズワイガニの身がぎっしり。食べごたえある1皿に仕上がっています。

カニコロッケ

『カニコロッケ』 2,800円(税込み)/ハーフサイズ1,400円(税込み)

酸味、甘み、コクそれぞれが際立った数種類のトマトをベースに作る、特製のトマトソースとの相性は抜群。

上質な油で揚げているため、ボリュームがありながらも口当たりは軽やか。最後のひと口まで、飽きずに楽しめます。

『洋食 黒船亭』の外観

『洋食 黒船亭』の外観

上野には、日本を代表する美術館や博物館が建ち並びます。

芸術を鑑賞した後、『洋食 黒船亭』で歴史的な食文化にふれる豊かな体験をしてみてはいかがでしょうか。

店舗情報

店名 洋食 黒船亭
ようしょく くろふねてい
Yoshoku Kurofunetei
住所 東京都台東区上野2-13-13 キクヤビル4階
アクセス 京成上野駅C6出口すぐ
  • 京成本線(KS01)

上野広小路駅A3出口から徒歩3分
  • 東京メトロ銀座線(G15)

上野駅(UEN)不忍口から徒歩5分
  • JR山手線(JY05)
  • JR上野東京ライン(JJ01・JU02)
  • JR宇都宮線(JU02)
  • JR京浜東北線(JK30)
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  • JR成田線
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  • 東京メトロ日比谷線(H18)
  • 秋田新幹線
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  • 北海道新幹線
  • 山形新幹線
電話番号 03-3837-1617
予約
※電話、公式ウェブサイト、食べログから予約可能
支払い方法
  • 現金
  • カード可(American Express・Diners・JCB・Master・VISA)
  • 電子マネー可(交通系電子マネー〔Suicaなど〕・iD・nanaco・QUIC Pay・WAON・楽天 Edy)
  • QRコード決済可(PayPay)
サービス料・席料 なし
営業時間 火~日曜・祝日11:00~14:30(LO)、17:00~21:00(LO)
定休日 月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日)
席数 テーブル40席
喫煙・禁煙 全席禁煙
ウェブサイト https://www.kurofunetei.co.jp/
その他
  • 日本語・英語対応のメニューブックのみあり
  • アレルギー対応メニュー、ヴィーガン・ベジタリアン・ハラール対応メニューなし
  • 車いす可
  • テイクアウト、デリバリー不可
  • スーツケースを置くスペースあり
  • Wi-Fiなし
  • 客が撮影した店の料理写真や動画のSNS投稿は可
  • 個別会計は可

※メニューの内容や料金、店舗情報などは2025年7月時点のものです。