建築物、習俗、そして料理にいたるまで、独特の文化が根付いている京都。
六本木ヒルズにある『京都一の傳 六本木ヒルズ店』では、東京にいながら、京都の食文化に触れられます。
予約限定の『蔵みそ焼懐石御膳』 5,500円(税込み)
四季折々の旬の食材にこだわった料理
1927年創業の『京都一の傳』は、京都に本店を構える、西京漬けの専門店。
西京漬けは、味噌床に魚や肉の切り身などを漬け込んで作る日本の伝統料理です。
特製の味噌床を使用した『京都一の傳』の西京漬けは『蔵みそ漬』と呼ばれています。
銀だらの『蔵みそ焼』
『蔵みそ漬』を中心に、京料理で構成された『蔵みそ焼懐石御膳』は、京都の食文化に触れることができる、おすすめコース。
一番最初に『先付け』、次に『造り』、その後に『御膳』、最後に『水菓子』の順で提供されます。
『先付け』(手前)、『造り』(奥)
京料理の特徴の1つが、料理に旬の食材を取り入れ、季節感を表現している点です。
『京都一の傳 六本木ヒルズ店』では、季節によって『蔵みそ焼懐石御膳』に使う食材も、料理も変えています。
季節感を取り入れた料理の1つが、コースの序盤に出てくる『造り』です。
取材時の2024年3月の『造り』は、日本では春を告げる魚といわれている、鰆の藁焼き。
『造り』の鰆の藁焼き
鰆の藁焼きには、それぞれ異なるトッピングがされています。
1つ目は、柚子と大根おろし。2つ目は、フキノトウ味噌と揚げたネギです。
3つ目は、青海苔と山葵(わさび)、醤油を混ぜたトッピング。どれも、繊細な風味を楽しめるものばかりです。
『水菓子』もまた、季節感にあふれています。
水羊羹(みずようかん)と黒豆の玉羹(ぎょくかん)は、日本の春の風物詩でもある桜を表現。
淡いピンク色と、桜の葉の鮮やかな緑色が美しい『水菓子』です。
『黒豆 桜玉羹』(左)、『桜水羊羹』(右)
味噌床に漬けた銀だらは濃厚なうまみ
『造り』の後に出てくる『御膳』は、1つのお盆に、白米、みそ汁、『銀だらの蔵みそ焼』と『おばんざい』と呼ばれる小鉢が乗っている、目にも華やかな内容です。
『御膳』のメインは、『京都一の傳』の看板メニューでもある『銀だらの蔵みそ焼』。
味噌床に使う調味料を厳選し、漬ける時間は季節や温度、魚の種類によって変えている、手間をかけた1品です。
特製の味噌床に、二昼夜じっくりと漬け、味わいを引き出した銀だらは、まろやかな甘さ。
脂がのっているため、口の中で濃厚なうまみも広がります。
主菜の『銀だらの蔵みそ焼』に添えてある薬味の大根おろしにも、『京都一の傳 六本木ヒルズ店』のこだわりが。
『京都一の傳 六本木ヒルズ店』では、おろした大根に、酢、出汁、薄口しょうゆ、みりんで味付けをしています。
酸味のある味付けにしているのは、濃厚な『銀だらの蔵みそ焼』の後味をさっぱりさせるため。
『銀だらの蔵みそ焼』の味を損なわず、一緒に食べることでコクを与えてくれます。
薬味にも気を配り、ひと口のおいしさを追求する姿勢からは、細やかな心配りが垣間見えます。
京都らしさがつまった『おばんざい』の数々
『蔵みそ焼懐石御膳』の主菜は『銀だらの蔵みそ焼』ですが、わきを固めるおばんざいにこそ、京都らしさが詰まっています。
おばんざいとは、家庭で食べられている惣菜を意味する京都の言葉。
食材そのもののおいしさをいかすおばんざいでは、出汁の存在が大切になってきます。
おばんざいだけでなく、京料理において出汁は味を左右する、要因の1つ。
『京都一の傳 六本木ヒルズ店』では、1時間半~2時間半ほどかけて昆布を煮だし、その後、削り節を入れて、あくを取っていきます。
丁寧な工程を重ねて出来上がった出汁は、透き通っており、やさしい風味と上品な味わいです。
そんな『京都一の傳 六本木ヒルズ店』の自慢の出汁を堪能するなら、おすすめは『茄子の揚げびたし』。
噛むほどに出汁が染み出し、うまみが口いっぱいに広がります。
季節によって『蔵みそ焼懐石御膳』に使う食材を変えている『京都一の傳 六本木ヒルズ店』ですが、『茄子の揚げびたし』は通年で『御膳』に入れているという、人気の1品です。
『茄子の揚げびたし』
こだわりの白米はおかわり自由
『京都一の傳 六本木ヒルズ店』では、出汁と季節感を大切にし、『蔵みそ焼懐石御膳』のメニューを考案していますが、もう1つ意識していることが。
それは、白米にあう料理と味です。
『京都一の傳 六本木ヒルズ店』では『五ツ星お米マイスター』と呼ばれる、お米の専門家がセレクトした、西京漬に合う一等級のお米を使用。
また、常に炊き立てのおいしい状態で提供できるよう、ランチタイムには2~3回に分けて炊くようにしているといいます。
『蔵みそ焼懐石御膳』はもちろん、どのおばんざいと一緒に食べても、箸が止まらないおいしさ。ご飯は、おかわりが自由なのも、嬉しいサービスです。
写真を撮る人も多い『京都一の傳 六本木ヒルズ店』のアートな店内
『京都一の傳 六本木ヒルズ店』を訪れた際には、店内の装飾にも注目してほしいところ。
店を訪れた際に、真っ先に目に飛び込んでくるのは、入り口にかけられている大きな暖簾です。
『京都一の傳』の『一』の字がプリントされた迫力のある暖簾を写真に収める人の姿も見れられる、店の看板のような存在。
『京都一の傳』の暖簾
落ち着いて、ゆったりすごせるような空間作りを意識しているという店内は、アートな装飾が至るところに飾られています。
例えば、テーブル席に飾られている、椎木を使用したアートワーク。暖簾と同じく、『京都一の傳』の『一』を表現しているといいます。
『京都一の傳』の店内に飾られているアートワーク
さらに、個室の窓には、漢字をモチーフにしたステンドグラスも。
それぞれ魚の鯛、鰆、鱈、鮭を表現しています。
『京都一の傳』の個室の窓にはステンドグラス
訪日外国人向けに英語での対応も可能なサービス
観光スポットが多い六本木は、訪日外国人が集まるエリアです。
『京都一の傳 六本木ヒルズ店』ではインバウンド客の対応にも力を入れており、日本語、英語、中国語で記載されたメニューが用意されているほか、英語を話すスタッフも在籍しています。
東京にいながら本格的な京料理を味わうことができ、京都の食文化にも触れられる『京都一の傳 六本木ヒルズ店』。
さらにインバウンド対応も充実しているとあり、今後さらに訪日外国人からの人気が高まっていくことが予想されます。
店舗情報
店名 | 京都一の傳 六本木ヒルズ店 きょうといちのでん ろっぽんぎひるずてん Kyoto Ichinoden Roppongi Hills |
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住所 | 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ウェストウォーク 5階
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アクセス |
六本木駅西麻布方面改札から徒歩2分
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電話番号 | 03-6432-9808 |
予約 | 可 ※電話、食べログ、一休から予約可能 |
支払い方法 |
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サービス料・席料 | 10% ※ディナータイムのみ ※個室利用の場合、ランチ・ディナータイムともに4名以内で4,400円。5名以上は1人あたり別途1,100円加算 |
営業時間 | 11:00~15:00(LO14:30)、17:00~23:00(LOフード21:00、ドリンク22:00) |
定休日 | 水曜日 |
席数 | 44席 ※カウンター12席、テーブル20席、個室12席 |
喫煙・禁煙 | 全席禁煙 |
ウェブサイト | https://www.ichinoden.jp/ |
その他 |
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