沖縄そばは、沖縄県で広く日常的に食べられている、沖縄グルメを代表する麺料理です。
日本そばとも、ラーメンともまた違う、独自の味わいを持っています。
『みやら製麺』は沖縄そばをメインに、沖縄県以外ではなかなか食べることができない『八重山そば』も提供する貴重な沖縄そば専門店です。

上野エリアからもほど近い、湯島駅から2分ほど歩いたところにある『みやら製麺』は、のれんと看板が目印。
ノスタルジックな雰囲気の店構えに、入る前からワクワクします。

入口近くにある券売機で食券を買ったら、着席してスタッフに渡しましょう。店内はカウンター席とテーブル席が合わせて12席あります。
コンパクトな店内である『みやら製麺』では、食べ終わったら長居せず、順番を待つ人に席を譲るのが暗黙のルールです。
自家製麺使用!昔ながらの沖縄そばを味わえる
東京都内でも、沖縄料理店を見かけることは増えてきました。
多くの沖縄料理店で沖縄そばは提供されていますが、自家製の麺で食べることができる店はまだまだレアです。

『みやら製麺』は店名にも入っている通り、店内で製麺を行っています。
店主の宮良氏は石垣島出身。開業当初、沖縄県外では沖縄そばの麺がなかなか手に入らず、「だったら自分で麺を作ろう!」と思ったことから自家製麺をスタートしました。
その日に使う分だけの麺を打つため、『みやら製麺』ではできたての麺を味わうことができます。

注文が入ってから茹で上げた麺は、器によそう前に『油どめ』と呼ばれる工程を挟みます。『油どめ』とは、茹で上げた麺に油を絡める作業で、沖縄のそばの特徴の1つです。

写真は『八重山そば』の調理工程
最近では個性的な沖縄そばを出す店も多くなってきました。しかし、スタンダードな沖縄そばのスープは、クリアな豚骨スープをベースに、カツオ出汁と、隠し味程度に鶏ガラを加えて作ります。
『みやら製麺』でも、昔ながらの沖縄そばの味に忠実。上品であっさりとした味わいです。
バリエーション豊富な沖縄そば
『みやら製麺』では、沖縄そばのトッピングを種類豊富に提供しています。

『ソーキそば』 800円(税込み)
沖縄の方言で豚のアバラ肉を指す『ソーキ』を乗せた、『ソーキそば』は『みやら製麺』で一番人気のメニュー。
『ソーキ』はポピュラーな具材の1つで、沖縄そばと聞いて『ソーキそば』を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

粉や水の配合から試行錯誤し、宮良氏が作り上げた沖縄そばの麺は、うどんともラーメンとも違う、独特の歯切れのよさが魅力。
優しい味わいのスープが麺に絡み、シンプルながらも奥深い味わいです。

『みやら製麺』の『ソーキそば』は甘めに味付けされ、やわらかく煮込まれた『ソーキ』が上に乗っています。
軟骨までとろりとやわらかいソーキは、あっさりとしたスープと合わせるとコクが増しアクセントに。

『八重山そば』 650円(税込み)
沖縄県は、多くの島々で構成されている県です。沖縄県全域で広く食べられている沖縄そばですが、地域や島によって具材や味わいに違いがあるといいます。
『八重山そば』は、店主の宮良氏が生まれ育った石垣島で食べられている味を再現したものです。

スープや麺は『ソーキそば』と一緒ですが、具材が異なります。
『八重山そば』に盛り付けられているのは、石垣島の名物でもある『八重山かまぼこ』と、豚肉の細切りです。
『ソーキ』の甘辛い味わいとはまた違い、『八重山そば』はスープと麺の風味をダイレクトに感じることができます。

『てびちそば』 900円(税込みい)
豚肉の消費量が多い沖縄では、一般的なロース肉やバラ肉以外に豚肉の足部分なども日常的に食されます。
『てびちそば』は、豚肉の足部分、沖縄県では『てびち』と呼ばれる豚足をやわらかく煮込んだものと、スープを作る際に使用した肉付きの豚骨を一緒にいただけるメニューです。
見た目に驚くかもしれませんが、ひと口食べれば、その印象が大きく変わることでしょう。

じっくり煮込まれた『てびち』は、ゼリー状のコラーゲンが独特の食感を生み出し、口の中でとろけます。
濃厚な味わいの『てびち』に、あっさりしたスープを組み合わせることで、ほかのメニューとはまた違った味わいです。
豚骨のまわりにもたくさん肉が残っているので、余すところなくいただきましょう。

『じゅーしー』 200円(税込み)※ランチタイムに麺類とセットで注文可
ランチタイムは、プラス200円(税込み)で『じゅーしー』と漬物の小鉢がついたセットにできます。
『じゅーしー』は、沖縄の方言で炊き込みご飯のこと。沖縄そばのスープで炊き上げられた『じゅーしー』は、あっさりしながらも奥深い味わいです。

(左)『ヒバーチ』(右)『コーレーグース』
テーブルの上に置かれている『ヒバーチ』と『コーレーグース』は、沖縄ならではの調味料。お好みで、沖縄そばに加えていただきましょう。
泡盛に唐辛子を漬け込んだ『コーレーグース』は、ピリッとした辛味を加えます。
『ヒバーチ』は、石垣島で自生しているヒハツモドキという植物の実を粉状にしたもので、別名『島胡椒』。
コショウのようなスパイシーさとシナモンのような独特な風味を持つ香辛料で、沖縄そばに入れて食べると風味がぐっと変わります。
ぜひ、途中で入れて、味の変化を楽しんでください。
夜に登場するサイドメニューも見逃せない!
17時以降はディナータイムに変わり、おにぎりや一品料理など、提供メニューが増えます。
『ポーたま』も、ディナータイムにいただけるメニューの1つです。

『ポーたま』 380円(税込み)
『ポーたま』とは『ポーク玉子』の略称で、『ポーク』とは缶詰に入ったポークランチョンミートのこと。
沖縄はポークランチョンミートの消費量が日本一で、アメリカ統治下に広く食べられるようになったといいます。
こんがりと焼かれたポークランチョンミートと焼いた卵を挟んでおり、満足度の高いおにぎりです。

昔ながらの沖縄そばは、作り方や味わいもとてもシンプルなもの。
しかし時代の変化とともに、より濃く、強い味わいのものを提供する店も増えてきたといいます。
沖縄そばの味が多様化する中、「昔ながらのスタンダードな味を守る店もあってもいいのではないか」という思いで、宮良氏は『みやら製麺』を続けているとのこと。
『みやら製麺』で、沖縄の味と心を静かに伝えてくれる、昔ながらの1杯をいただきませんか。

店舗情報
店名 | みやら製麺 みやらせいめん Miyara seimen |
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住所 | 東京都台東区上野1-2-8
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アクセス |
湯島駅5番出口から徒歩1分
上野広小路駅A4出口から徒歩5分 上野御徒町駅A4出口から徒歩5分 御徒町駅南口から徒歩6分 仲御徒町駅2番出口から徒歩7分 |
電話番号 | 03-5577-6622 |
予約 | 不可 |
支払い方法 |
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サービス料・席料 | なし |
営業時間 | 月~金曜日11:30~15:00(LO)、 17:00~20:00(LO) 土曜日11:30~15:00(LO) |
定休日 | 日・祝日 |
席数 | 12席 ※カウンター4席、テーブル8席 |
喫煙・禁煙 | 全席禁煙 |
ウェブサイト | https://x.com/miyaraseimen |
その他 |
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※メニューの内容や料金、店舗情報などは2025年6月時点のものです。