うどんといえば、太く弾力のある麺が一般的。しかし、秋田の名産品である稲庭うどんは少し異なります。
日本の三大うどんの1つに数えられる稲庭うどんは、のどごしのよさが最大の特徴であり魅力。
形状は一般的なうどんとは異なり、だいぶ細く、それゆえに舌触りのよさ、つるりと滑らかなのどごしが際立ちます。

『銀座 佐藤養助』の稲庭うどん
東京で稲庭うどんを味わうのであれば、銀座に店舗を構える『銀座 佐藤養助』は外せません。
11時30分の開店前から1人、2人と並び始め、ランチタイムともなれば行列必至の人気店。
行列には日本人だけでなく、海外からの観光客らしき姿もあり、『銀座 佐藤養助』の稲庭うどんのおいしさは、外国人をも魅了しています。

(手前)『天ぷらせいろ二味(ふたあじ)』2,400円(税込み)
秋田の稲庭うどんの名店を銀座で味わう
場所は銀座6丁目。有楽町駅、日比谷駅からも徒歩10分以内の場所に、稲庭うどんの専門店『銀座 佐藤養助』はあります。
麺はすべて職人の手作業で作られ、完成までにかかる日数は3日。
仕上げの乾燥の工程では、その日の天候や湿度により乾燥時間を調整するといい、熟練職人の技術力が光ります。

『銀座 佐藤養助』の店内では稲庭うどんの各種セットを購入可能
稲庭うどんの魅力を堪能するのであれば、麺は冷やした状態で味わうのがおすすめ。
冷水でしっかりと温度を下げることで麺が引き締まり、弾力感とのどごしのよさが際立ちます。

店としてのおすすめの食べ方は、麺を冷やした『冷せいろ』
『天ぷらせいろ二味(ふたあじ)』は、『醤油つゆ』と『胡麻味噌つゆ』の2種類のつけ汁、そして天ぷらがセットになった、店の一番の人気メニュー。
カツオ節と昆布からとった出汁がおいしい『醤油つゆ』は、ピリッと刺激のあるワサビを加えてもおいしく食べられます。
『胡麻味噌つゆ』は、これもまた秋田の名産品である秋田味噌を使用し、甘みと凝縮されたうまみを感じる味わい。
塩気のある『醤油つゆ』と甘い『胡麻味噌つゆ』を交互に楽しむことで、最後まで飽きずに食べ進められます。

(左)『醤油つゆ』、(右)『胡麻味噌つゆ』
合間に楽しみたいのが、サクサクとした衣の食感までおいしい、セットの天ぷら。
エビの天ぷらが2つに、白身魚のキスの天ぷら、カボチャやナスと盛りだくさんのラインナップです。
それでいて『天ぷらせいろ二味(ふたあじ)』は1人前、2,400円(税込み)というリーズナブルさ。
良心的な価格設定のため気軽に訪れやすく、それもまた『銀座 佐藤養助』に行列ができる理由なのかもしれません。

『天ぷらせいろ二味(ふたあじ)』の天ぷら
天丼付きの稲庭うどんのセットもおすすめ
天ぷらだけでなく、甘辛いタレがたっぷりかかった天丼がセットになったメニューも。
それが『天丼セット』です。こちらは麺の量が0.5人前で、1人前の天丼と味わうには、ちょうどよい分量。
麺は冷たい『冷かけ』と、温かいつゆをかけた『温かけ』の2種類から選べます。

『天丼セット』 1,750円(税込み)
エビ、キス、野菜の天ぷらには、甘みが強い天丼用のタレを惜しげもなくかけており、なんとも贅沢。
塩気からくる辛さもあり、濃厚なタレが食欲を刺激します。

『天丼セット』の天丼
タレが染み込んだ白米は、それだけで味わっても十分すぎるほどのおいしさ。
天ぷらと一緒に味わえば、さらに絶品。稲庭うどんが主役の『銀座 佐藤養助』ですが、天丼も負けずとも劣らぬ存在感を放ちます。

うどんとエスニックの融合!新感覚の『タイカレー二味(ふたあじ)セット』
『天ぷらせいろ二味(ふたあじ)』と並ぶ人気を誇るのが『タイカレー二味(ふたあじ)セット』。
タイ発祥のグリーンカレーとレッドカレーをアレンジしたつけ汁とともに、稲庭うどんを味わえます。

『タイカレー二味(ふたあじ)セット』 1,800円(税込み)
グリーンカレーのつけ汁には、秋田の代表的な調味料である魚醤の『しょっつる』を使い、塩気と風味をプラス。
ナンプラーではなく、『しょっつる』を使う点は、秋田発祥の『銀座 佐藤養助』ならではです。
『タイカレー二味(ふたあじ)セット』はこれまで数々のメディアで紹介されてきたというだけあり、味も格別。
ココナッツのまろやかな甘みが『しょっつる』の塩気をやわらげ、本場のグリーンカレーとはまた違うおいしさです。

つけ汁の『グリーンカレー』
途中で卓上に用意されている七味を加えれば、辛さのアクセントが加わり、味わいは一変。
甘みと塩気、そして辛さが三位一体となったおいしさを、ぜひお試しあれ。

レッドカレーのつけ汁は、グリーンカレーより、もともとの辛さが強め。しかし、ただ辛いだけでなく、深いコクを感じます。
その理由は、魚介からとった出汁。
うまみを抽出した出汁をベースに使うことで、もともとレッドカレーが持つ甘みに、塩気とうまみが加わり濃厚な味わいへと変化します。

つけ汁の『レッドカレー』
伝統と革新が融合する『銀座 佐藤養助』
『銀座 佐藤養助』が誕生したのは、2006年のこと。
しかし、『銀座 佐藤養助』の母体である佐藤養助商店は、創業1860年江戸末期までさかのぼります。
一子相伝で受け継がれてきた稲庭うどんの技術ですが、家業から産業への切り替えを目的として、1972年には一般に公開されることとなりました。
その後、秋田を拠点に広く周知されるようになった佐藤養助商店の稲庭うどんは、さらなる人気を獲得。
『銀座 佐藤養助』は、佐藤養助商店の首都圏初となる直営店としてオープンしました。

『銀座 佐藤養助』の外観
うどんはシンプルな味わいだからこそ、稲庭うどんのなめらかな舌触り、心地よいのどごしの衝撃は、いつまでも心に残ります。
一度食べれば忘れられず、いつしかトリコになっていることでしょう。
店舗情報
店名 | 銀座 佐藤養助 ぎんざ さとうようすけ Ginza Sato Yosuke |
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住所 | 東京都中央区銀座6-4-17 出井本館 1階
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アクセス |
銀座駅C3出口から徒歩2分
日比谷A1出口から徒歩4分
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電話番号 | 03-6215-6211 |
予約 | 平日ディナータイムのコースのみ可 ※電話から予約可能 |
支払い方法 |
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サービス料・席料 | サービス料10% ※17時以降に入店した場合 |
営業時間 | 平日11:30~15:00(LO14:30)、17:00~22:00(LO21:00) 土日・祝日11:30~15:00(LO14:30)、17:00~21:00(LO20:00) |
定休日 | なし ※不定休あり |
席数 | 60席 ※テーブル40席、座敷20席 |
喫煙・禁煙 | 全席禁煙 |
ウェブサイト | https://www.sato-yoske.co.jp/ |
その他 |
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※メニューの内容や料金、店舗情報などは2025年4月時点のものです。