焼き鳥は、日本の大衆的な酒場に欠かせない料理の1つです。
串を持って黄金色に焼かれた鶏肉にかぶりつき、口の中にあふれるうまみと肉汁をビールで流し込む――。
60年以上、その食文化を飲食店激戦区の渋谷駅前で守り続けているのが、『鳥竹総本店』です。
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『やき鳥盛り合わせ5本』 2,000円(税込み)
秘伝のタレが引き立てる大串焼き鳥は食べごたえ抜群!
焼き台の前で絶え間なく手を動かしながら焼く職人、煙りとともに漂う炭火の香り、そして店に集まる多くの客。
渋谷の道玄坂エリアは時代とともに常に変化していますが、『鳥竹総本店』が作る情景は変わりません。
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道玄坂のランドマークとの呼び声もある
『鳥竹総本店』を訪れた際に、外せない名物が『やき鳥盛り合わせ5本』です。
その内容は、鶏の腿(もも)と胸にネギを挟んだジューシーな『焼き鳥』、独特の味がクセになる肝と心臓の『とりきも』、ミンチ肉とさまざまな野菜を合わせた『つくね』、2種類の手羽の部位を贅沢に合わせた『手羽』、そしてシンプルに焼いた新鮮なピーマンの5種類。
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『鳥竹総本店』の焼き鳥の魅力は、まず鶏肉の大きさです。
一串で約85g。一般的な焼き鳥のおよそ1.5倍も大きく、食べごたえ抜群。
東京で数多くの焼き鳥店がある中で、数十年通うリピーターをひきつけて止まないのも納得です。
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鶏肉は大きいだけではなく、鮮度にもこだわりが。
『鳥竹総本店』では、毎日業者から新鮮な生の鶏肉を仕入れ、職人が解体し、1本ずつ手作業で串に刺します。
ただ切って刺すのではなく、繊維を断つように串を刺すことで歯切れのよい食感を生み出しているとか。
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そして何より、鶏肉のうまみを引き立てるのが店独自のタレです。
創業以来、継ぎ足しで受け継がれているタレは、まさに唯一無二の味。
タレの味を守るため、店は新型コロナウイルス感染症が蔓延している時期に、休業しているにも関わらず、毎日売るあてのない焼き鳥を焼き続けていたとのこと。
そうして火を絶やさなかったタレには、60年を超えるうまみが凝縮しています。
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分厚い身から脂のうまみがあふれる贅沢な『うな丼』
焼き鳥はシンプルに見えて奥の深い料理です。熟練の職人でなければ、最高の状態に焼き上げられません。
それはウナギも同じこと。甘辛いタレで焼いたウナギの蒲焼きは、精のつく贅沢品として古くより食べられてきました。
『鳥竹総本店』では焼き鳥だけでなく、ウナギ料理も堪能することができます。
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『うな丼(中)』 4,957円(税込み)※価格は日によって変動
ウナギは身の厚い素材を厳選。身はふんわりに、表面はクリスピーに焼き上げて提供。
口の中で最高の状態になるようにこだわっていると、店主はいいます。
ウナギとご飯との相性が抜群な『うな丼』は、まさに絶品。
創業から受け継がれてきたウナギのためのタレが、おいしさを引き立て、食が進みます。
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ウナギは、各テーブルに用意された香辛料の山椒をかけると、さわやかな辛さが加わるので、ぜひ試してみてください。
慣れない人は少しずつかけることをおすすめします。
『うな丼』にはウナギの肝を使った吸物である肝吸いと、漬物がセットに。サイズは3種類あり、価格は時期によって異なります。
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鶏出汁の旨味で心から温まる『鳥なべ』
秋冬の寒くなる時期に人気なのが『鳥なべ』。卓上にコンロがセットされ、セルフで調理して味わいます。
こちらは鶏肉のすき焼きで、肉は腿と胸の2種類。ほかに、白菜、白ネギ、春菊、エノキ、白滝、豆腐など多彩な具材が楽しめます。
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『鳥なべ』 1,500円(税込み)
一般的なすき焼きの汁は、醤油や砂糖が主体です。
しかし『鳥竹総本店』は鶏肉と合うように、鶏ガラから抽出したスープを加えて作っています。
鶏のうまみを味わってもらえるように、細部にまでこだわりを徹底しているため、多くの人に愛されているのでしょう。
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鶏肉の色が変わり、食欲を刺激する香りとともに照りが出てきたら食べ時の合図。
溶いたフレッシュな生卵に漬けて食べると、濃厚な味とまろやかな風味が融合し、身体が芯から温まります。
鶏肉そのものに味が染み込んでいるので、生卵につけずに食べても大満足のおいしさですよ。
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具材を食べ終わったら、鍋の締めくくりとして雑炊かうどんを追加注文するのがおすすめです。
鶏肉のうまみを吸った汁でご飯やうどんを煮込めば、最後の最後まで『鳥なべ』を楽しめます。
秋冬の時期におすすめな『鳥なべ』ですが、季節問わず注文可能。夏の暑い時期に食べるのもたまりません。
お酒はビールから日本酒まで定番がそろう
『鳥竹総本店』ではほかにも、注文を受けてから鶏肉をさばくジューシーな唐揚げや、煮物、和え物、一品料理など品ぞろえが充実しています。
料理に合わせて楽しみたいお酒も多彩なのも、『鳥竹総本店』の魅力の1つ。
焼き鳥や揚げ物には、ビールや、若者に人気のウイスキーのソーダ割りであるハイボール、焼酎のソーダ割りであるサワーが合います。
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鍋や煮物などに合わせたいのは日本酒。
日本酒は、冷酒、常温、熱燗など温度で味わいや香りが変わるので、いろいろ試してみてください。
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『日本酒』 360円(税込み)~
外国語対応のメニューもあり訪日外国人にも人気
店の4代目店主は『鳥竹総本店』について、「『大衆居酒屋ですが、きちんとした料理でお客様に喜んでいただきたい』という思いで日々営業しています」と話します。
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『鳥竹総本店』のおもてなしと味は、日本人客や多くの訪日外国人を魅了。
店には英語、中国語、韓国語のメニューも用意されているので、国籍を問わず気兼ねなく楽しめます。
そんな素敵な店で、日本ならではの粋な大衆酒場文化を、体感してみてはいかがでしょうか。
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店舗情報
店名 | 鳥竹総本店 とりたけそうほんてん Toritake |
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住所 | 東京都渋谷区道玄坂1-6-1
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アクセス |
渋谷駅(SBY)西口すぐ
渋谷駅(SBY)ハチ公口から徒歩3分
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電話番号 | 03-3461-1627 |
予約 | 不可 |
支払い方法 |
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サービス料・席料 | お通し代198円(税込み) ※ソフトドリンク注文時は不要 |
営業時間 | 12:00~23:00(LO22:00) |
定休日 | なし |
席数 | 90席 ※カウンター10席、テーブル50席、座敷40席 |
喫煙・禁煙 | 全席禁煙 |
ウェブサイト | https://toritake.jp |
その他 |
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※メニューの内容や料金、店舗情報などは2024年10月時点のものです。