日本では、コンビニエンスストアでも購入できるほど、日本人の生活に馴染んでいる食べ物、おでん。
ダイコンや卵、ちくわやこんにゃくなど、さまざまな具材を出汁でじっくり煮込んだ、日本の伝統的な家庭料理です。
おでん文化が根づく東京には、専門店も多く存在します。その中でも『浅草おでん大多福』は、1915年に創業した歴史ある名店です。

観光地として有名な浅草寺から北西方向、国際通りと言間(こととい)通りが交差する場所のほど近くに建つ『浅草おでん大多福』。
趣のある、小路のような入口を抜けて、店に入ります。

現在の店舗は2019年にリニューアルされた建物で、バリアフリー化も施されました。こちらはテーブル席です。

厨房の様子を見ながら食事できる、カウンター席もあります。
心躍る多彩なおでん種!伝統の味をじっくり味わう

おでんの価格は時期によって変動
おでんは、季節限定のものも含めて常時30〜40種類を提供。テーブル席でおでんを注文した場合は、冷めないように小鍋で提供されます。
『浅草おでん大多福』のおでんの出汁は、昆布とカツオを煮出し、薄口醤油で味を整えたもの。そこに、さまざまなおでんの具(おでん種)を煮込むことで、具材のうまみが出汁に溶け込み、さらに深みのある味わいになります。
おでんは、店ごとに出汁のスタイルが異なり、『浅草おでん大多福』の場合は、味だけでなくしっかりと色がついている点も特徴的です。

(左上から)『ちくわ』、『しらたき』、『がんもどき』、『焼き豆腐』※金額は時期によって変動
こちらは、定番で人気メニューのおでん。
『ちくわ』と『焼き豆腐』はボリュームたっぷりで、しっかり食べごたえがあります。

(左)『玉子』(中央)『たこ足』(右)『大根』※金額は時期によって変動
『たこ足』は、海外観光客に人気のメニュー。特に中国から来た観光客は必ず注文するとか。
飴色に輝く『玉子』と『大根』は、おでん鍋でほかのおでん種と煮込む前に、しっかりと調理が施されています。口に入れると、素材そのもののうまみと、具に染み込んだおでん出汁のおいしさの両方が味わえます。

(上)『はんぺん』(左)『もち袋』(右)『ちくわぶ』※金額は時期によって変動
魚のすり身で作られた『はんぺん』は、ふんわり溶けるような味わい。油揚げに餅を入れた『もち袋』は、シイタケと長ネギが入ることで食感がプラスされています。
小麦粉で作られた練り物『ちくわぶ』は、おでん出汁をしっかりと吸ってうまみがギュッと詰まった状態に。
ビールや日本酒など、好みの酒とぜひ合わせて楽しんでください。
日本文化と風情を味わえる店内も見どころがたくさん

『浅草おでん大多福』の店内には、昔の浅草の風景を収めた写真や民芸品などが飾られ、浅草の歴史と文化を感じることができます。

入口近くには、歴代の店舗を表した模型も。
110年の歴史の中で、関東大震災や第二次世界大戦など、さまざまな出来事を乗り越えてきました。

会計の窓口に飾ってある木札は、その昔、実際に会計札として使われていたものだとか。
また、2階のカウンター席に続くこちらの扉は、旧店舗の扉を使用。レトロなデザインが素敵です。

訪日観光客に大人気の観光地、浅草に店を構えていることもあり、日本語メニューだけでなく、英語、中国語(簡体字)、韓国語、フランス語のメニューも用意しています。

長く続いている店だけに、親子3〜4代にわたって通っている客もいるという『浅草おでん大多福』。浅草の街で、変わらぬ味を提供し続けています。
人気店なので、訪れる際は予約がおすすめです。気温が下がる秋と冬の季節は混み合いますが、夏は比較的予約が取りやすいとか。ぜひ、『浅草おでん大多福』自慢のおでんを一度味わってみてください。
店舗情報
店名 | 浅草おでん大多福 あさくさ おでん おたふく Asakusa Oden Otafuku |
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住所 | 東京都台東区千束1-6-2 NS言問ビル 1階
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アクセス |
浅草駅B出口から徒歩5分
田原町駅3番出口から徒歩10分
入谷駅1番出口から徒歩10分
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電話番号 | 03-3871-2521 |
予約 | 可 ※電話から予約可能 |
支払い方法 |
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サービス料・席料 | なし |
営業時間 | 16:00〜22:00(LO21:00) |
定休日 | 水曜日 |
席数 | 70席 ※テーブル44席、カウンター26席 |
喫煙・禁煙 | 全席禁煙 |
ウェブサイト | https://otafuku.ne.jp/ |
その他 |
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※メニューの内容や料金、店舗情報などは2025年5月時点のものです。