東京とんかつ名店巡り【7選】 伝統・ご当地・創作系を一挙紹介!

サクサクの衣にジューシーな豚肉を包んで作るとんかつは、日本を代表する料理。

日本各地に個性豊かな専門店が点在し、海外でもそのおいしさが注目されています。

とんかつは一見シンプルですが、実は多彩なバリエーションがあります。

地域によって独自のスタイルが発展しており、その土地ならではの食べ方やトッピング、提供方法が楽しめます。

代表的な例として、新潟では甘辛いタレにくぐらせた『タレカツ』が定番。

衣にソースをかけるのではなく、特製のタレを染み込ませることで、ご飯との相性が格段にアップします。

一方、東京や関西の一部では塩でとんかつを味わうシンプルながら奥深いスタイルも人気。

肉のうまみをダイレクトに感じられるため、素材の質が重要になる食べ方です。

さらに最近では、出汁をかけてお茶漬け風に楽しむスタイルや、ほかの揚げ物と組み合わせた創作かつ丼など、新感覚のとんかつも登場。

とんかつは老舗の味からモダンなアレンジまで、旅先ごとに楽しめる日本ならではの食文化になっています。

ぽん多(上野):老舗が誇る伝統の味わい

上野にある『ぽん多本家』は、1905年創業の老舗。

ここで味わえるのは、現在のとんかつの原型ともいえる『カツレツ』です。驚くべきことに、作り方も味も、創業当時からほとんど変わっていません。

上野にあるぽん多本家のとんかつ

ぽん多本家』の『カツレツ(単品)』 

使用される豚肉は、特定のブランドや産地にこだわらず、店主自らが厳選した高品質な豚肉のみを使用。

伝統として受け継がれているのは、筋や脂身を丁寧に取り除き、赤身だけを使うというこだわりです。

10分以上かけてじっくり揚げて作る『カツレツ』は、表面はサクッと軽やか。

脂身を極限まで取り除きながらも驚くほどジューシーで、噛むたびに肉のうまみが広がります。

上野にあるぽん多本家のとんかつ

仕上げにかけるのは、卓上に用意された、代々受け継がれる秘伝のウスターソース。

まろやかな酸味が加わることで、クラシックながらも奥深い味わいが完成します。

上野にあるぽん多本家のとんかつ

上野観光の途中に、100年を超える伝統の味をぜひ体験してみてください。

店名 ぽん多本家
ぽんたほんけ
Ponta Honke
住所 東京都台東区上野3-23-3
電話番号 03-3831-2351
営業時間 火~土・祝前日11:00~14:00(LO13:45)、16:30~20:20(LO19:45)
日・祝日11:00~14:00(LO13:45)、16:00~20:20(LO19:45)
定休日 月曜日
※不定休あり
ウェブサイト https://r.gnavi.co.jp/g608200/
外国語対応 日本語・英語対応のメニューブックのみあり

新潟カツ丼 タレカツ(吉祥寺):新潟の郷土の味

一般的なとんかつといえば、厚切りの豚肉に衣をつけて揚げ、ソースをかけて食べるのが主流。

しかし、新潟発祥の『タレかつ丼』と呼ばれるとんかつは、まったく異なるスタイルで、その独特な魅力で人気が高まっています。

吉祥寺にある新潟カツ丼タレカツのタレかつ丼

新潟カツ丼 タレカツ』の『二段もりカツ丼』

吉祥寺にある『新潟カツ丼 タレカツ』では、薄切りの豚肉を使ったとんかつを、秘伝のタレにくぐらせ、白米の上にのせて提供。

揚げたてのカツにタレが染み込み、衣はほんのりサクサク感を残しつつ、中の肉はしっとり。薄くても肉本来のうまみが凝縮されており、しっかりとした食べごたえがあります。

味の決め手となるタレは、有機醤油をベースに砂糖と特製スープを加えた無添加の秘伝ダレ。

毎日継ぎ足して火入れすることで、塩気と甘みが絶妙に調和し、一度食べたら忘れられないコクと深みを生み出しています。

吉祥寺にある新潟カツ丼タレカツのタレかつ丼

さらに見逃せないのがご飯です。

使用するのは、新潟産の銘柄米『こしいぶき』。やや硬めに炊き上げることで、タレがよく染み込むと同時に、米の粒感や食感もしっかり残るため、タレカツとの相性は抜群です。

吉祥寺にある新潟カツ丼タレカツのタレかつ丼

東京にいながら、本場新潟の味を堪能できる『新潟カツ丼 タレカツ』。吉祥寺のほか、渋谷や中野にも店舗があります。

吉祥寺店に訪れた際には、井の頭公園の散策の合間に立ち寄るのにも最適です。

店名 新潟カツ丼 タレカツ 吉祥寺北口店
にいがたかつどん たれかつ きちじょうじきたぐちてん
Niigata Katsudib Tarekatsu Kitijoji North Branch
住所 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-13-2 白石ビル 1・2階
電話番号 0422-27-2790
営業時間 11:00〜22:30(LO22:00)
定休日 なし
※不定休あり
ウェブサイト https://www.tarekatsu.jp/
外国語対応 日本語・英語対応のメニューブックのみあり

すずや 新宿本店(新宿):とんかつ×お茶漬けの新感覚

「とんかつをお茶漬けに?」と驚くかもしれませんが、新宿にある『すずや 新宿本店』では、ユニークなスタイルの『とんかつ茶づけ』が人気。

脂っこいと思われがちなとんかつを、最後はサラッとお茶漬けで締めるという、新しい楽しみ方がここにあります。

新宿にあるすずや 新宿本店のとんかつ

すずや 新宿本店』の『とんかつ茶づけ』

提供される『とんかつ茶づけ』は、鉄板にのったとんかつの上に、たっぷりの千切りキャベツと海苔がトッピングされた1品。

ソースはなんと4種類から選べるのも嬉しいポイントです。

『定番醤油味』をはじめ、ピリッとした辛さが特徴の『からし醤油味』、ニンニクのパンチがきいた『にんにく生姜醤油味』、刺激的な辛さの『とうがらし醤油味』の4種類のソースは、どれもとんかつにマッチする味わい。

新宿にあるすずや 新宿本店のとんかつ

(左から)『からし醤油味』『にんにく生姜醤油味』『とうがらし醤油味』『定番醤油味』

食べ方もユニークです。

まずはそのまま、とんかつだけを味わい、次にキャベツや海苔とともに楽しみます。

残りが3切れほどになったら、いよいよお茶漬けの番。

ご飯の上にとんかつとキャベツをのせ、熱々のお茶をかければ完成です。

ほんのり渋みのあるお茶が、脂をほどよく流し、あっさりしつつも肉のジューシーさが際立つ新感覚の1皿へと変化します。

新宿にあるすずや 新宿本店のとんかつ

がっつり食べたい人にも、最後はサッパリ締めたい人にも、2つの異なる願いをどちらも叶えてくれるのが、この『とんかつ茶づけ』。

とんかつの新たな可能性に触れたい人は、ぜひ訪れてみたい1店です。

店名 すずや 新宿本店
すずや しんじゅくほんてん
Suzuya Shinjukuhonten
住所 東京都新宿区歌舞伎町1-23-15 SUZUYAビル 5階
電話番号 03-3209-4480
営業時間 11:00~23:00(LO22:30)
定休日 なし
ウェブサイト https://www.toncya-suzuya.co.jp/index.html
外国語対応 日本語・英語対応のメニューブックのみあり

海老山(渋谷):夢の進化系かつ丼

ひときわ目を引くビジュアルで注目されているのが、『海老山』の『海老山スペシャル丼』。

その名の通り、まるで山のようにそびえ立つ4本の巨大エビフライと、とんかつを豪快に盛り込んだ1杯です。丼の蓋は、もちろん閉まりません。

渋谷にある海老山のとんかつ

海老山』の『海老山スペシャル丼』

エビフライは、生パン粉を使用して揚げられており、衣はサクサク、身はぷりぷり。

その食感のコントラストが楽しく、見た目以上に軽やかな食べごたえです。

とんかつは豚の脂がじんわりと染み出し、サクッとジューシーな仕上がりで、これだけでも主役級。

そして丼の中でひときわ存在感を放つのが、とろとろの半熟卵です。

渋谷にある海老山のとんかつ

ポイントは鍋に溶き卵を流し込む前に、油で粗挽きのコショウを素揚げし、香りを引き出すという一手間。これにより、食べるたびに豊かな風味が鼻に抜けます。

食べ進めるうちに、誰もがたどり着くのが、至福のエリア。

それは丼の底に広がる、タレをたっぷり吸った白米と、カツやエビフライのうまみが凝縮されたエリアです。

渋谷にある海老山のとんかつ

甘辛い味わいに、豚の脂のコクが溶け込み、思わず罪悪感すら感じるほどの満足感が押し寄せます。

ボリューム、味、香り、食感のすべてが詰まった『海老山スペシャル丼』は、まさに進化系かつ丼の代表格ともいえる存在。

渋谷でガッツリ食べたい気分の時には、ぜひチャレンジしてみてください。

店名 海老山
えびやま
Ebiyama
住所 東京都渋谷区東2-23-6 第2池田ビル 1階
電話番号 03-6427-6092
営業時間 11:00〜15:00(LO)、17:00〜20:00(LO)
定休日 年末年始
ウェブサイト https://www.instagram.com/ebiyama_2022/
外国語対応 日本語・英語対応のメニューブックあり。日本語・英語対応の券売機あり

とん久 アトレ上野店(上野):駅直結で気軽に本格派

旅の途中でも、サッと立ち寄って本格的なとんかつが楽しみたい!

そんな願いを叶えてくれるのが、JR上野駅直結の商業施設『アトレ上野』にある『とん久』上野店です。

アクセスのよさだけでなく、質の高いとんかつをリーズナブルに味わえることで、観光客からビジネスマンまで幅広い支持を集めています。

上野にあるとん久のとんかつ

とん久』の『上ロースかつ定食(黒豚)120g』

『とん久』の最大の魅力は、とんかつに使用する豚肉を2種類から選べるという点。

1つ目は、赤身の旨みと脂の甘みのバランスが絶妙な『大吟醸』。そして2つ目は、希少性が高く世界的にも生産量の少ない『黒豚』です。

なかでもおすすめは『黒豚』で、しっとりとした食感と深いうまみ、ほんのりとした脂の甘みが他の豚とは一線を画します。

上野にあるとん久のとんかつ

調味料各種

肉のおいしさをさらに引き立てるのが、豊富な調味料のラインナップ。

とんかつ定食には、芳醇な香りが特徴の『金胡麻』がすり鉢とともに提供され、好みに応じて自分ですりつぶして使用します。

そこに合わせるのが、トマトをベースに、数種の野菜と果物をブレンドした自家製ソース。フルーティーでマイルドな酸味があり、まろやかにとんかつの味を引き立てます。

上野にあるとん久のとんかつ

さらに卓上には、岩塩やカラシも用意されており、1皿で多彩な味の変化が楽しめるのも魅力。食べる人それぞれのスタイルで、自分好みのとんかつを堪能できます。

駅直結という利便性に加え、クオリティの高さと味の奥深さを両立した『とん久』。

それに加えてリーズナブルなのですから、訪れない理由がありません!

店名 とん久 上野
とんきゅう うえの
Tonkyu Ueno
住所 東京都台東区上野7-1-1 アトレ上野 EAST 2階
電話番号 03-5826-5778
営業時間 11:00~22:30(LO21:30)
定休日 なし
アトレ上野の休館日に準ずる
ウェブサイト https://kichiri.jp/tonkyu/
外国語対応 日本語・英語・中国語対応のメニューブックのみあり

豚組食堂(六本木):ブランド豚で味わう贅沢とんかつ

『究極のとんかつ』を掲げ、豚肉の魅力を徹底的に追求する六本木の名店が、『豚組食堂』です。

ここでは、日によって異なる日本各地のブランド豚を使用しており、訪れるたびに違った味と出会えるのが最大の魅力。

メニューはスタンダード、プレミアム、スペシャルの3つのランクに分かれており、それぞれに数種類の銘柄豚が用意されています。

六本木にある豚組食堂のとんかつ

プレミアムランクは特に人気で、銘柄ごとに部位まで選べる贅沢な仕様です。

とんかつは、分厚くカットされた豚肉に粗めのパン粉をまとわせ、ごま油ベースの特製ブレンド油で10分ほどかけて丁寧に揚げるというこだわりの製法。

揚げたあとは余熱でじっくりと火を通し、豚肉のうまみと肉汁を閉じ込めます。

油の温度管理にも細心の注意が払われており、サクッと軽く、それでいてしっとりとした食感が絶妙。

六本木にある豚組食堂のとんかつ

豚組食堂』のとんかつ

こだわりのとんかつを、よりおいしく味わってもらうため、『豚組食堂』では、食べ方の三箇条を掲げています。

まずは何もつけずに食べましょう。カット面を上にして口に運べば、肉そのもののうまみがダイレクトに感じられます。

次は、卓上の岩塩をふりかけてから。甘みとコクのある岩塩が、豚肉の風味を引き立てつつ、味に奥行きを与えてくれます。

最後は、店のオリジナルのソースで。小皿に取ったソースに一切れずつ軽くつけて味わうスタイルで、衣のサクサク感を損なうことなく楽しめます。

六本木にある豚組食堂のとんかつ

なお、このオリジナルソースも侮れません。

甘みと酸味のバランスにこだわって作られたソースは、主張しすぎず、とんかつの主役感を損なわない絶妙な引き立て役。

日本全国の銘柄豚を味わえる贅沢な体験ができる『豚組食堂』は、とんかつを食べ比べて楽しむという、新たな文化を発信している店です。

六本木で少し贅沢なランチやディナーを楽しみたい時に、ぜひ立ち寄ってみてください。

店名 とんかつ 豚組食堂
とんかつ ぶたぐみしょくどう
BUTAGUMISHOKUDOU
住所 東京都港区六本木6-4-1 六本木ヒルズ メトロハット 地下2階
電話番号 03-3408-6751
営業時間 11:00~16:00(LO15:15)、17:30~22:00(LO21:30)
定休日 なし
六本木ヒルズの休館日に準ずる
ウェブサイト https://www.butagumi.com/shokudo/index.html
外国語対応 日本語・英語対応のメニューブックのみあり

とんかつ檍(浅草橋):シンプルで奥深さを堪能できる調味料とは?

秋葉原駅から歩いて約10分、浅草橋にある『とんかつ檍(あおき)』の浅草橋店は、とんかつ好きの間で、塩で食べるとんかつの代表格として知られる名店です。

豚肉の銘柄選びから調味料、揚げ油にいたるまで徹底的にこだわった1皿が、提供されています。

浅草橋にあるとんかつ檍 浅草橋店のとんかつ

とんかつ檍 浅草橋店』の『上ロースかつ定食』

使用される豚肉は、脂身の甘みと赤身の旨みのバランスが絶妙な『林SPF豚』。

高品質な豚肉を引き立てるため、揚げ油には日本産の純正ラードを使用しています。

純正のラードを使うことで、豚のコクをより一層際立たせながらも、しつこさのない軽やかな仕上がりです。

衣には粒の大きい生パン粉を使い、ザクッとした食感がアクセントに。

揚げたてのとんかつは、外はカリカリ、中はしっとりとやわらかな仕上がり。厚みのあるカットで提供されるため、食べごたえも抜群です。

この店の特長は、なんといっても塩で食べるスタイル。

浅草橋にあるとんかつ檍 浅草橋店のとんかつ

(左)『ナマック岩塩』、(中央)『ヒマラヤピンク』、(右)『ヒマラヤホワイト』

定番のソースやからしも用意されていますが、ぜひ試してほしいのが、店おすすめの『ナマック岩塩』です。

まろやかなコクと、どこかゆで卵を思わせる独特の香りがあり、豚肉の甘みとうまみを見事に引き立ててくれます。

ソースに頼らず、シンプルな塩でここまで奥深い味が楽しめる驚きを体験できるのが『とんかつ檍』なのです。

浅草橋にあるとんかつ檍 浅草橋店のとんかつ
店名 とんかつ檍 浅草橋店
とんかつあおき あさくさばしてん
Tonkatsu Aoki Asakusabashi
住所 東京都台東区浅草橋5-20-8 CSタワービル 107
電話番号 03-5820-1011
営業時間 火~土曜日11:00~15:00(LO)、17:00~20:00(LO)
日曜日11:00~15:00(LO)
定休日 月曜日
ウェブサイト https://tonkatsu-aoki.com/
外国語対応 日本語対応の券売機のみあり。別途、英語のみ対応のメニューブックあり

ひと言でとんかつといっても、その楽しみ方は店によって実に多彩。

ソースで食べる定番スタイルから、塩で味わうシンプルな1皿、お茶漬けや創作丼まで、日本のとんかつは進化と個性を続けています。

気になるとんかつ店を巡っていると、1日では時間がたりないかもしれないほどです!

※メニューの内容や料金、店舗情報などは2025年9月時点のものです。